スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

予告通り重大発表を始める!

 登場人物
・ネギ博士
このコラムを書いている人。
・わん太ちゃん
ネギ博士の脳内にいるラブラドール・レトリーバーのわんこ。

ネギ博士「十年に一度レベルの重大発表を見たい人は今すぐつづきをクリック!」

続きを読む

スポンサーサイト

続きを読む

適切な手抜き(DM小説編)

 登場人物
・ネギ博士
このコラムを書いている人。
・わん太ちゃん
ネギ博士の脳内にいるラブラドール・レトリーバーのわんこ。

続きを読む

続きを読む

時には自己満足も必要だ

 登場人物
・ネギ博士
このコラムを書いている人。
・わん太ちゃん
ネギ博士の脳内にいるラブラドール・レトリーバーのわんこ。

続きを読む

続きを読む

続きを読む

『デュエルのくに』の答え合わせ

 登場人物
・ネギ博士
このコラムを書いている人。
・わん太ちゃん
ネギ博士の脳内にいるラブラドール・レトリーバーのわんこ。

続きを読む

続きを読む

続きを読む

続きを読む

続きを読む

続きを読む

続きを読む

続きを読む

続きを読む

続きを読む

続きを読む

続きを読む

続きを読む

ネギ博士「猫舌ですよ?」

 登場人物
・ネギ博士
このコラムを書いている人。
・わん太ちゃん
ネギ博士の脳内にいるラブラドール・レトリーバーのわんこ。

続きを読む

日常と非日常

 登場人物
・ネギ博士
このコラムを書いている人。
・わん太ちゃん
ネギ博士の脳内にいるラブラドール・レトリーバーのわんこ。

続きを読む

DM企業戦士 時任俊之助 最終話


最終話 輝ける切り札

前回までのあらすじ
 時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)は、DM企業戦士最強を決める大会で優勝した日本一の男だ。夢を追うために乗った飛行機がテロリストに占拠され、彼らのリーダーをデュエルで倒したものの、飛行機が墜落。時任は死んでしまったのだ。死後の世界で神と出会った時任は、神とのデュエルを開始する。このデュエルで勝てば時任だけでなく、飛行機に乗っていた人物全員が生き返る事ができるのだ。
 行け、時任俊之助!これが最後の戦いだ!!

 デュエルスペースの神とも言える場所のせいだろうか。時任は、自分が今まで以上に強くなったように感じる。さらに、使っているのは友が力をあわせて作ってくれたデッキ。相手が神でも負ける気がしない。
「『シビレアシダケ』を召喚!手札を一枚マナにして俺のターンを終了します」
「ふっ、マナブーストで手札を浪費していると、戦略の選択肢が減るぞ?私は『鎧兵機サーボルト』を召喚する!」
 神が召喚したのはドラゴンと進化クリーチャーをブロックできないというデメリットを負う事で、2マナでパワー4000という強大なパワーを得たブロッカーだった。
「『グレートメカオー』?どんなデッキなのかまだ判らないけど、行くぜ!『サイバー・ブレイン』!」
 『シビレアシダケ』のマナブーストで減った手札をドロー呪文で増やす。綺麗な流れで時任は自分に有利な状態を加速させていく。
「ならば、『アクア・ハルカス』を召喚してカードをドロー。時任、お前のターンだ」
 神が次に出してきたのはリキッド・ピープルだ。使っているカードはグレートメカオーだけではないらしい。
(とすると……『マーキュリー・ギガブリザード』に進化するつもりか?あのパワーと呪文を封じられるのは厄介だな。だけど、進化する前に俺の切り札が出れば勝てる!)
「『ブレイン・チャージャー』で手札を増やし、『レオパルド・グローリーソード』をジェネレート!ターン終了です」
「なるほど、そのクロスギアか……」
 時任が出したクロスギアを出して、神は眉をひそめる。
(今までの時任はドラゴンを使ったデッキが多かった。マナゾーンにも『コッコ・ルピア』と『ドルザーク』がある。『シビレアシダケ』を進化ドラゴンにするつもりかもしれん。だが……)
 神はそこまで考えて微笑む。
(手札破壊がないのならば、防御を固めてあの切り札を簡単に出せる。奴の切り札が何であろうと心配はいらない)
「行くぞ、時任。私は『サイバー・ブレイン』でカードをドロー!ターンを終了する」
 ピリピリとした緊張感が場を支配し、互いに準備を進める。
「だけど、いつまでもにらみ合いなんてやってられないぜ!『フレイムバーン・ドラゴン』を召喚して、『鎧兵機サーボルト』を破壊!」
 時任のドラゴンによって、神のブロッカーが弾けとぶ。だが、時任は攻撃を仕掛けなかった。
(何かある……。下手に突っ込んで相手の手札を増やすよりは、ドラゴンが並ぶのを待つべきだよな……)
「素晴らしい反応だな、時任。今まで私に挑んだ者の中で最高の存在だ!だからこそ、お前は私の切り札を出すのにふさわしい!」
 神は『ジル・ワーカ』と二体目の『サーボルト』を召喚した。
「『ジル・ワーカ』とは厄介な……。だったら、俺は『炎槍と水剣の裁』を使う!神様の『ジル・ワーカ』と『アクア・ハルカス』を破壊して、俺の『シビレアシダケ』も破壊!三枚ドローだ!」
「だが、忘れるな、時任。『ジル・ワーカ』の効果で『フレイムバーン・ドラゴン』をタップ!このターンも攻撃はできぬぞ!」
 相手のクリーチャーを破壊はしているが、シールドを一枚も壊していない。神が使うデッキは光と水の長期戦を意識したデッキのようだ。時間をかけるのはまずい。
「判っちゃいるけど、防御が堅い……」
「ならば、その防御をもっと固めるとしよう。『電脳聖者エストール』を召喚してシールドを追加だ!」
 神のシールドは減るどころか増えていった。時間をかけたくないのに、相手のペースにはまっていく。
「だけど、まだだ。マナも手札も充分にある。俺は戦える!」

 時任が乗っている飛行機が納豆団にハイジャックされたニュースが流れた数時間後、百瀬、文美、熊本の三人はDM課に集まっていた。
「ハイジャックか……。奴は最後の最後まで予想外の事をしでかしてくれる」
「百瀬さん、それじゃ先輩がこれで死んじゃうみたいじゃないッスか!先輩はこんなところで……!」
 顔を真っ赤にした熊本が百瀬につかみかかるが、それに対し百瀬は言葉を強くして言った。
「ならば、君は生きて帰れると思っているのか!?安い希望などを持って無意味に楽観的な姿勢でいるよりも、最悪の事態を受け入れる準備をする方が懸命だ!」
 百瀬は熊本と文美が持ちたかった最後の希望を打ち砕いた。だが、それは百瀬だって同じ事だ。時任が生きて帰ってくると一番信じたいのは彼なのだ。
(時任、お前はハイジャックごときに夢を潰されて終わる男か……?お前が本当にDM企業戦士ならば、この運命を打ち破ってみせろ。それが私達に希望を見せたお前の責任だ)
 百瀬は強く手を握り締める。やり場のない思い。それが文美にも伝わってきた。
「ほ、ほら!ニュースを見れば、新しい情報が入ってきてるかもしれないじゃない!」
 暗い空気を何とかしようと、文美は明るい声を出して二人に呼びかける。そして、テレビをつけた。
『たった今、速報が入りました。テロ組織納豆団に占拠された旅客機がアメリカに墜落した模様です。繰り返します……』
 死を司る何かの呪文のように、その言葉は三人の生気を奪っていった。墜落などしたら、中にいる乗客は生きていないかもしれない。
「ぐうぅ……うおおおぉぉぉっ!!」
 獣のような百瀬の叫び声。誰よりも時任が生きて帰る事を望み、最悪の状況を想定しようとしながらそれを一番信じたくなかった彼にとって、悪夢は最悪の形で降り注いだ。
 その場に耐える事ができなくなった百瀬はそのまま外へ飛び出した。何も見えない、何も聞こえない。気がつけば、ビルから外へ出て走り続けていた。走りながら、燃え尽きてしまえばいいと思いながら。そんな事ができるわけがないと、思いながら。

「『マーキュリー・ギガブリザード』でシールドをT・ブレイク!!」
 神の切り札はやはり、『マーキュリー・ギガブリザード』だった。時任のクリーチャーを倒しながら、メテオバーンを使い、残りのメテオバーンは一回だ。だが、シールドは六枚。クリーチャー一体でも、危険である。
「やっぱり、フェニックスは強い……。だけど……俺にもアイツがいる!」
 時任のシールドは残り二枚。場には、『青銅の鎧』が一体と『無双竜機ドルザーク』が一体いるのみ。
「マナも充分。さらに、神様の手札はもうない。一気に切り札級のドラゴンを二体出して、この次のターンに勝つ!」
「だが、どうするというのだ。『マーキュリー』を倒す術がお前にあるのか?」
 今の時任のデッキでは、『マーキュリー・ギガブリザード』を倒す方法は一つしかない。だが、それをやるにはカードが足りないのだ。
「だから、『マーキュリー』を倒さないでシールドを破る。『バルキリー・ドラゴン』を召喚!『バルケリオス・ドラゴン』を手札に加えて、G0で召喚だ!」
 時任のドラゴンがさらに増える。うまく行けば、ドラゴン達でシールド六枚をブレイクし、『青銅の鎧』で直接攻撃ができる。
「なるほど。これだけのクリーチャーの量は危険だ。だが、それでも負ける気がせんな!」
 神は一枚のカードを引いた。そして、そのカードから光がほとばしる。そのオーラに時任は威厳と恐怖を感じた。
「見るがいい、人間。これが神の光だ!」
 『マーキュリー・ギガブリザード』に一枚のカードが重ねられる。
「そっ、それは百瀬も使いこなせなかったあのカード……!」
「その通り、『究極銀河ユニバース』だ。私が今回の攻撃でメテオバーンを使い、次のターン、『ユニバース』のメテオバーンで『マーキュリー・ギガブリザード』を墓地に送った時、どんな事があろうと私の勝利は確定する!だが、その前にシールドが持たんな」
 神のユニバースが時任のシールド二枚を破って、メテオバーンを使う。
「シールドは……『地獄スクラッパー』……。駄目だ、『ユニバース』は倒せない。もう一枚は『フェアリー・ライフ』……。これも意味がない!」
 このターンで『ユニバース』を倒すか、シールドを全て壊して直接攻撃をしないと時任の負けだ。だが、神のシールドにシールド・トリガーがあり、攻撃が届かなかったら、その時点で負けが確定する。
「いや、後ろ向きに考えるな。このデッキは俺の仲間が作ってくれたデッキ。今だからこそ、切り札が来る!」
 時任が山札の一番上のカードに触れた瞬間、カードが赤く輝き出した。
「馬鹿な!このデュエルスペースの神の上で、カードが輝くのは私のみのはず……!カードが輝くという事は、時任は私を越える存在になるという事なのか!」
 神がおののき、時任はマナをタップする。
「目覚めろ!『超新星アポロヌス・ドラゲリオン』!!」
 時任の場にある三体のドラゴンが融合して、太陽を思わせるフェニックスが光臨する。その存在は神に等しい。
「メテオバーン発動!『アポロヌス・ドラゲリオン』のパワーは30000になる!『ユニバース』を攻撃!」
 神の切り札を蹴散らした事で、時任に少しの安心が生まれる。だが、まだデュエルは終わっていない。
「私の切り札を破壊だと……?人間風情が!ならば、私も『アポロヌス・ドラゲリオン』を場から消し去ってくれる!」
「できるんですか?」
「何ぃ!?」
 カードを引いた神に対し、挑発ともとれる一言をぶつける時任。彼の言葉には、まだ続きがあった。
「俺の『アポロヌス・ドラゲリオン』を選んだ時、神様のマナは全てなくなります。それでも、俺の『アポロヌス・ドラゲリオン』を倒せますか?」
 はったりだった。だが、この場をしのげれば何とか勝てるかもしれない。
「……どちらにしても、今出せるクリーチャーはこれだけだ」
 神が出したのは『電脳聖者エストール』だ。その効果でシールドが一枚増える。
「時任よ、『アポロヌス』は所詮T・ブレイカー。七枚になった私のシールドを破壊する前に、このエストールで……」
「いえ、俺はこのターンでシールドを全て破壊し、神様に勝ちます」
「何を……言って……」
 時任は真っ直ぐ前を見ている。そして、『アポロヌス・ドラゲリオン』に手を添えた。
「行くぞ、『アポロヌス・ドラゲリオン』……。ワールドブレイカー!神様を守る七枚のシールドを全て撃破だ!!」
「ワールドブレイカー。そういう事か!」
 一枚ずつシールドが割られていく。
「だが、時任。私のデッキには『アクア・サーファー』が入っている!シールド・トリガーでそれが出れば、『青銅の鎧』を手札に戻し、私の勝ちだ!」
 マナにあるカードを見た時点で、『アクア・サーファー』が入っている事は判っている。だが、これ以上待つ事ができなかった。
 二枚目、三枚目とシールドは消えていく。
「四枚、五枚……まだだ。まだ二枚残っている!」
 神も焦り始めているようだ。額には汗をかき、口も渇いている。
「六枚目ブレイク!」
 残りのシールドは最後の一枚となった。心臓の鼓動が脳に響き、目がぐるぐると回るような気がしている。
「『アポロヌス・ドラゲリオン』、最後のシールドをブレイクだ!」
 最後のシールドに『アポロヌス・ドラゲリオン』の攻撃が届き、それが神の手札に入った……。


 一年後、東京。
 東京ドームにて、DM企業戦士日本一を決める大会が再び行われていた。今回は日米合同で行われていて、参加企業は日本だけでも三倍に増え、金井社長以外のスポンサーもついた。日本一になったDM企業戦士はアメリカの優勝者とデュエルして、真の意味で最強のDM企業戦士を決めるのだ。
 今は、日本の決勝戦が行われている。
「自分は、GGアームズの星田五十六(ほしだいそろく)軍曹だ!百瀬光太郎!一年前の大会で惨敗した時の恨み、晴らさせてもらうぞ!」
 決勝に残ったのは百瀬と、ハリウッドの戦争映画に出てくる軍人のような服装の男だった。
「星田……五十六……?残念だが、君の事は覚えていない。誰かと勘違いをしているのだろう。だが、一つ言っておく。私は最初から全力で君を倒す!」
 百瀬はそう言って、重い上着を脱ぎ捨てその下に装備していた最強デュエリスト要請ギプスを外した。
「出た!百瀬さんの最強デュエリスト要請ギプス!あれを外した百瀬さんは無敵だ!」
「でも、あのギプス外してもデュエルが強くなるわけじゃないッスよねぇ……」
 対戦台に近い特別席で観ていた犬飼(いぬかい)の解説に対して、熊本がツッコミを入れる。
「リーダーは一年前に決勝で敗れてから、凄まじい努力をしました。そんなリーダーがここで負けるとは思えませんね」
「実際、私も負けちゃったし。優勝は百瀬さんで決まりかも」
 雉宮(きじみや)と文美も特別席で観戦している。
「百瀬さーん!がんばるでごわすー!」
「光ちゃん、これで勝てば優勝だよー!」
 百瀬の元部下、猿谷(さるたに)と片桐はるかは通常の観客席にいる。色々な人が百瀬を応援してくれているのだ。
「おのれ……。女に応援してもらうとは、けしからん!今から貴様を徹底的に叩きのめす!いいか、返事は「サー!イエッサー!」だ!」
 逆上した星田五十六の先攻で決勝が始まる。そして、数ターン後……。
「光器ペトローバで星田軍曹を直接攻撃だ!」
 百瀬の直接攻撃が決まり、日本一が決定した。
「リーダー、おめでとうございます!」
「百瀬さん、日本一おめでとうッス!」
 雉宮、熊本を始めとする仲間達が彼に駆け寄る。だが、百瀬はうれしそうではない。
「くだらんな……。時任と対戦せずに日本一の称号をもらっても、何の意味はない」
 百瀬の言葉は深い。彼にとって本当の日本一を名乗るには、時任を倒すしかないのだ。
「そういえば、そろそろアメリカの決勝戦も同時中継で行われているはずですよね!どうなったのかな?」
 犬飼の言葉を聞き、そこにいた全員がそれを思い出す。会場にある巨大なモニターでは、アメリカでの決勝戦の様子が写されていた。
『YO!俺の切り札、『緑神龍ダグラドルグラン』二体目を召喚だYO!さらに、一体目の『ダグラドルグラン』でシールド二枚をマナ送りだYO!』
 決勝に残っているのは、アルフレッドのようだ。彼の場には、『インビジブル・スーツ』をクロスした『ダグラドルグラン』が一体と、召喚したばかりの『ダグラドルグラン』が一体。シールドは四枚も残っている。
 対戦相手は、フードつきのコートに身を包んで顔がよく判らない。だが、体格からして男性のようだ。
『OH!『呪紋の化身(カース・トーテム)』一体と、『ファイアー・ブレード』一枚だけじゃ、絶対俺には勝てないYO!』
『絶対と、言い切れるのか!?』
 対戦相手の男が挑発する。まるで、勝利を確信しているような口ぶりだ。
『当たり前だYO!何故なら、次のターンお前の最後のシールド一枚を『ダグラドルグラン』でマナ送りにして、もう一体の『ダグラドルグラン』でとどめ!完璧だYO!』
『確かに、お前は強い!だけど、相手が悪かったな!』
 対戦相手の男は7マナをタップする。
『俺の切り札、『メタルカオス・ドラゴン』を召喚!ありがとよ、『ダグラドルグラン』の攻撃で増えた2マナを使って『ファイアー・ブレード』を『メタルカオス・ドラゴン』にクロス!!この意味が判るよな?』
『し、しまったYO!『メタルカオス・ドラゴン』はクロスギアを装備するとアクセルが発動して二回連続攻撃が可能!『ファイアー・ブレード』を装備する事でアクセルが発動し、召喚酔いも解除。さらに、『呪紋の化身』がいるから、シールド・トリガーが使えないYO!』
『そういう事だ!行くぜ、『メタルカオス・ドラゴン』!シールド四枚ブレイク!』
 アルフレッドのシールドが消し飛ぶ。その中の三枚がシールド・トリガーだったが、それを使う事はできなかった。
『Shit!この大会で優勝してモモタロを倒すつもりだったのに、これで水の泡だYO!』
『残念だったな!百瀬と戦うのは、俺の役目だ!』
『呪紋の化身』がアルフレッドに直接攻撃をした。
「あの人は誰でごわすか?」
 百瀬のそばに来て、一緒にアメリカの決勝戦を見ていた猿谷が呟く。
「もちろん、光ちゃんには誰か判るよね?」
「当たり前だ」
 片桐の問いに、どことなく機嫌の良さそうな百瀬は答える。フードを脱いだ優勝者は、その場にいる誰もが知っているあの男だ。
『お前!一体、何者だYO!俺が倒されるなんて、只者じゃないYO!』
『俺の名前を知らないのか?俺の名は……』
「あの場に立っている、私にとって最高のライバルの名は……」
 二つの声が綺麗に重なる。どこにいても、デュエルに対する真っ直ぐな想いが重なるように。
『DM企業戦士、時任俊之助だ!』

 DM企業戦士 時任俊之助
     完

DM企業戦士 時任俊之助 第三十四話


第三十四話 時任、死す!?

前回までのあらすじ
 時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)。DM企業戦士達が集まる大会で優勝し日本一になった男だ。彼は自分の夢を追うために会社を辞める。彼の夢は新しいカードゲームを作る事だ。夢のために日本から飛び立った時任だったが、飛行機を謎のテロリスト集団「納豆団」にハイジャックされる。納豆団のリーダーとのデュエルで勝利し、人質達を解放させた時任だったが、飛行機は墜落してしまった。

 上も下のない。前も後ろもない。真っ白な雲のようにふわふわした世界。そんな世界の中に時任は漂っていた。
「なんか、気持ちがいいな」
 非常に暖かく、居心地がいい。ベッドの上でまどろんでいる時の心境に似ている。
「とすると、これは夢か……。じゃ、後五分だけ寝かしてくれ~」
「眠っている場合ではないぞ。時任俊之助」
 厳かな雰囲気の声を聞いて、時任は目を開ける。そこには、髪を白くして、白い口髭を生やした百瀬(ももせ)が立っていた。もちろん。着ている服はいつもと同じイタリア製のスーツである。
「……って、桃太郎!夢にまで出てくるなよ!」
「私は桃太郎ではない!」
「判ってるよ、百瀬光太郎(こうたろう)だろ。俺のライバルの」
「違うな。私は百瀬光太郎という人間でもない」
 目の前の男は首を横に振った。しかし、時任には百瀬にしか見えなかった。
「あ、判った!百瀬、お前ふざけてんだろ!何だよ、ヒゲなんか生やしちゃって……」
 時任は男の口髭をつかむと引っ張り始めた。
「痛い痛い!やめんか!」
「この口髭も、付け髭だろ。で、髪はかつらか何かだ。前の最強デュエリスト要請ギプスみたいなもんで、おもしろいからつけてるんだよな?」
「やめぬか!光の精霊達よ、主の名の元にこの者に天罰を与えよ!」
 口髭男の口調に怖くなって、時任は瞬時にその場を離れた。すると、さっきまで時任がいたはずの場所に雷が落ちたのだ。
「あっぶね~。おい!雷なんか落とすなよ!当たったら死ぬじゃねえか!」
「ツッコミどころはそこか!雷を落とした事は無視かい!」
 口髭男は時任にツッコミを入れた後、コホンと咳払いをして威厳を保とうとする。
「当たったら死ぬと言うが、その心配はしなくてもよい」
「夢の中だからな」
「この世界はお前の夢ではない。私は神だ」
「……やっぱり夢だ」
 鼻で笑う時任。だが、神を名乗る男は話を続ける。
「私は全能の神。そして、時任俊之助。お前は飛行機が墜落した事によって、死んでしまったのだ」
「俺が……死んだ?」
 声が震える。確かに、飛行機が墜落の衝撃に耐えられたとは思えない。そもそも、飛行機が墜落事故を起こす事などまれだ。墜落はすなわち死を意味する。
 時任は墜落した時の衝撃までしか記憶がない。だとしたら、目の前の神が言うように、本当に死んでしまったのかもしれない。
「そんな……。こんなところで……!」
 脱力感の後には、怒りがこみ上げてくる。まだ自分には夢があった。自分のカードゲームを作るまでは死んでも死に切れない。仲間達と約束した事でもあるのだ。
 そんな時任の心境を汲み取ったのか、神はこんな事を言った。
「時任よ、お前が今から出す試練を乗り越えられたらお前を、いや、あの飛行機に乗っていた者達を生き返らせてやっても良い」
「生き返らせる……?」
 阿呆のように神の言った言葉を反芻する時任。絶望のふちに立たされた彼にとって、これはまさに蜘蛛の糸だ。
「そうか。あの飛行機に乗っていたのは俺だけじゃない。納豆団のメンバーや普通の乗客もいたんだ。それを全員生き返らせてくれるんですか?」
「左様。神に不可能はない」
 神が手を振るうと、その手に木でできた杖が収まる。神が杖で足下を突くと、周囲がカードショップのデュエルスペースのように変わっていった。
「ここは、デュエルスペースの神。様々なデュエリストがここでデュエルをしたが、建物が老朽化していた為に取り壊され、残っていた魂だけがこうして神となったものだ。神々しか使えぬこのデュエルスペースでお前は私と戦うのだ」
 神はスーツの胸ポケットからデッキを取り出す。
「時任、もう一度言う。勝てば生き返らせてやる。だが、私に負けた場合……」
 神は杖でデュエルスペースの床をつく。すると、床が透明になった。
「なんだ、あれは!」
 床の下には、蠢く亡霊達がいた。百や二百ではない。一千人はいるだろう。
「あれは、私とデュエルをして敗れた者達だ。敗れた者はあのデュエル地獄に入り、勝者が現れるのを待つしかない。次のデュエリストが来るまで……お前は自分を保てるか?」
 神は時任に対していやらしく微笑む。時任は突きつけられたプレッシャーに足がすくんでいた。あれだけのデュエリストが挑戦しても勝てない相手なのだ。それに、負けたら……時任も自我を失った哀しい亡霊になってしまうかもしれない。
「怖い……」
 デュエルを前にしてここまで怖いと思ったのは初めてだ。時任のデュエルに多くの命が懸けられている。そして、敗北は死よりも残酷な結末が待っているのだ。
「だけど……」
 それでも、時任は前を向いた。どんなピンチでも、どんなプレッシャーでも、ほんの少しのチャンスと最高の切り札で乗り越えてきたのだ。
「それが、俺。DM企業戦士、時任俊之助だ!」
 時任が手をかざすと、デュエルスペースの天井が光を発し一つのデッキとなった。そのデッキは時任の手に収まる。
「これは……みんなが俺にくれたデッキか」
『時任、お前のために我々が力をあわせて作ったデッキだ。このデッキを使いこなせるようになるまで、そして、何かをつかむまで日本には帰ってくるな。いいな?』
 百瀬が言っていた。このデッキは仲間達が力を合わせたデッキ。そこへ時任の腕がくわわれば、怖い者などない。
「神様。そのデュエルお受けします!」
 時任はデッキをシャッフルし、シールド五枚、手札五枚を準備する。
「いいぞ、人間。神の出す試練の前に崩れ落ちるがいい!」
 神も場の準備を終える。にらみ合う二人。時任は相手が神であっても、たじろぐ事はなかった。
「デュエル、スタート!」
 今、究極のデュエルが始まろうとしていた。

次回に続く(次回、ついに最終話!)

次回予告
 皆のもの、元気にしているか?百瀬だ。時任よ、死んでしまうとは何事だ!まあいい。相手が神であってもデュエル・マスターズのルールまでは変えられん。時任よ、我々の全ての力を継いだお前ならば勝てる。行け、DM企業戦士時任俊之助!次回『最終話 輝ける切り札』 最強の一撃、放て!『アポロヌス・ドラゲリオン』!!

DM企業戦士 時任俊之助 第三十三話


第三十三話 空の上の決戦

前回までのあらすじ
 時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)。DM企業戦士達が集まる大会で優勝し日本一になった男だ。自分のカードゲームを作るために時任は会社を辞め、友と別れた。夢を追うために行動を開始したのだ。飛行機に乗り込み、仲間の事を思い出していると、そこへテロリスト『納豆団』が現れる。彼らの要求は納豆へ刻みネギをつける事の義務化だ。怒りを覚えた時任と納豆団リーダー鮎川による乗客の安全を賭けたデュエルが始まる。

 今までにない緊張が、時任の全身を支配していた。
 今回のデュエル、負ける事で失うものはない。まあ、納豆の食べ方に関する自由は奪われてしまうが、納豆団も時任が毎回納豆にネギを入れているかどうかなどのチェックはしないだろう。
 だが、勝てなかったら大問題だ。この飛行機に乗っている乗客、乗務員、全てを解放するチャンスなのだ。無駄にしてはいけない。1ターンでも状況を読み間違えたらアウトだ。
「どうした、日本一?考えすぎると頭がパーになるぜ」
「うるさい、もうちょっと考えさせろ」
 そう言って、時任は『フェアリー・ライフ』を使う。
「マナブーストか。どんな大型を出してこようと、俺の防御と超絶テクニックで粉砕してやるぜ」
 鮎川は『エナジー・ライト』を使って手札を増やす。
「手札って奴は重要だ。俺のデッキでは特にな……」
 増やした手札を扇子のように広げて扇ぐ鮎川。余裕のある彼の行動が、時任にとって無言のプレッシャーとなる。
(落ち着け、時任俊之助!俺は大会で誰を倒してきた!?DM傭兵を名乗る男とか、ニセ中国人とか、鳥尾さんみたいな誠実な人とか、桃太郎とか……無茶苦茶強い奴らと戦ってきたじゃないか!?こいつの実力もデッキの内容も判らないけれど、これは俺が作ったデッキ。必ず、俺に応えてくれる!)
 時任は覚悟を決めてドローした。手札を見て深呼吸。いい動きをしている事が自分でも判る。
「『青銅の鎧』を召喚してマナブースト。さらに『チッタ・ペロル』を召喚する!」
 時任の場にようやくクリーチャーが並んだ。そして、鮎川の目にも警戒の色が見え始める。
「『チッタ・ペロル』……。ドラゴンデッキか。『ガルドス』に注意ってとこだな」
 時任の戦略を読みきっている鮎川。簡単に勝てる相手ではなさそうだ。
「『ブラッディ・イヤリング』を召喚。そして、『エマージェンシー・タイフーン』を使う」
「げげっ!」
 過去の経験から、その名を聞いただけで時任の背筋には悪寒が走る。何度、そのカードによってピンチに陥っただろう。その度に切り抜けてきたが、一度身についた苦手意識は簡単に克服できるものではない。
「ターン終了だ。さあ、どうする?」
「『サイバー・ブレイン』でドロー。ターンを終了する」
 準備が整うまでは攻撃しない方がいい。クリーチャーが出ると、意味もなく攻撃するくせがある時任だったが、文美に言われて改善した。
「ほう、ドラゴンデッキだから、てっきりヒーロー気取りの攻撃バカかと思ったが違うようだ。久しぶりに燃えさせてもらうぜ!」
 鮎川は二枚目の『エマージェンシー・タイフーン』を使い、『リッピ・ウォッピー』を召喚した。
「水のファイアー・バード?じゃあ、こいつも……?」
「その通り。俺のデッキは超絶コンボを内臓したドラゴンデッキだ。技が決まったら、お前に勝つ術はない!」
「言い切ったな!俺も燃えてきたぜ!」
 同じドラゴン使いとの戦い。時任は他の種族のクリーチャーも好きだが、やっぱりドラゴンが一番好きだ。そして、ドラゴン好きのプレイヤーとの戦いも好きである。ドラゴンを連想させるカードが時任の魂に火を点け、彼の緊張をほぐした。

 一方、日本。
 時任を空港から送り出した百瀬は帰宅し、コーヒーを飲みながら昼食のメニューを考えていた。だが、ライバルがいなくなってしまって心が空っぽになり、何もする気が起きない。
「空虚とは……こういう事を言うのだな」
 BGM代わりにつけていたテレビの内容も頭には入らない。だが、テレビが緊急のニュースを流し始めた時、彼の第六感が反応した。
「日曜にニュースだと……?一体何が?」
 そのニュースを要約するとこうなる。本日午前九時に日本を出発したアメリカ行きの飛行機がテロ組織によってハイジャックされたというのだ。飛行機の番号、時間から考えて時任が乗っている旅客機に間違いない。
「時任……!時任オオォォォーッ!!」
 百瀬は親友の危機を察知して、この世の終わりのような声を喉から絞り出した。そのテロ組織が「納豆にネギを入れる事を義務化する」という目的のために行動するアホな組織だと知った時、彼はどこに怒りをぶつけるだろうか。それはご想像にお任せする。

「さぁて、そろそろ切り札の登場と行こうか。『黒神龍ギランド』を『超神龍アバス・ノナリス』に進化!そして、お前のシールドをW・ブレイクだ!」
 時任のシールドが二枚破壊される。だが、本当に怖いのはそんな事ではない。『超神龍アバス・ノナリス』と戦って勝てるサイズのクリーチャーが今の時任の場には存在しないのだ。
「くそっ!だったら、このカードで除去するだけだ。『ナチュラル・トラップ』で『アバス・ノナリス』をマナに!」
 『アバス・ノナリス』がマナへと消えていく。さらに追撃をかけるために、時任は『コッコ・ルピア』で鮎川のシールドを攻撃した。
(これで、鮎川のシールドは残り二枚。俺の場にあるのは『コッコ・ルピア』一枚だけど、手札もあるし、シールドは三枚ある。シールドが三枚あればドラゴンを出しながら勝てるはずだ!)
 勝利を確信した時任。だが、鮎川は静かに笑い出した。
「おもしろい!おもしろいぞ、DM企業戦士!こうだ!こうでなくては最高のコンボを出す意味がない!」
 追い詰められているというのに笑い続ける。それは絶対に自信があるという事だ。
「俺はこの次のターンでお前にとどめをさしてみせる。まず、防御のために『ブラッディ・イヤリング』を召喚。さらに、この残った一枚が三体のクリーチャーに化ける」
「何だって!?」
 そんな事は不可能だと、時任は思った。一枚のカードで三体のクリーチャーを場に出す方法など、存在しないはずだからだ。
「お前は知らないようだな……。死をも武器に変えるドラゴンの力を!」
 7マナをタップして、鮎川は『魔龍バベルギヌス』を召喚する。
「そして、俺は『バベルギヌス』の効果でこいつ自身を墓地に送る。代わりに出てくるのはドラゴン・ゾンビの中でも最大級の存在、『黒神龍ベルザローグ』だ!」
 ただのドラゴン・ゾンビがT・ブレイクを持った大型のクリーチャーへと変貌する。
「そうか!そのために『エマージェンシー・タイフーン』で手札を捨てていたのか!だけど、それだけじゃ一体。シールドを壊せてもとどめはさせない」
「これで終わりじゃない。俺のデッキは墓地に隠し味が仕込んであるのさ」
 鮎川は墓地から二枚のカードを引きずりだす。冥府から蘇る二体のドラゴン。
「名を刻んどけ。『黒神龍グールジェネレイド』!」
 予告通り、鮎川は一枚の『バベルギヌス』で三体のドラゴン・ゾンビを場に出した。
「まずい。シールド・トリガーで除去が出たとしても、止められるかどうか……」
「ターン終了だ。あがけ、DM企業戦士!」
 ギリギリの状況で時任は覚悟を決めた。『コッコ・ルピア』がいるのだ。守るのが無理なら、このターンで倒せばいい。
「『コッコ・ルピア』はドラゴンにとってただの友じゃない。戦友とかいて「とも」と読むんだ!まず、3マナで『グレガリゴン』を召喚!」
「パワーアタッカーのドラゴンか!攻撃されたら、『グールジェネレイド』でも負けるが、召喚酔いしてやがる。それがお前の答えか!?」
「まだだ。俺の切り札でお前の計画を沈めてやる!『超竜騎神ボルガウルジャック』、召喚!!」
 時任の場にあった『グレガリゴン』は、騎士のような風貌の龍へと進化をとげる。
「進化ドラゴンだと!?しかも、そいつは……!」
「ああ、『ボルガウルジャック』が攻撃する時、ドラゴンが進化元のクリーチャーであれば、『ボルガウルジャック』よりもパワーが小さいクリーチャーを破壊できる!『ボルガウルジャック』でシールドを攻撃!そして、『ブラッディ・イヤリング』を墓地へ!」
 ブロッカーとシールド。鮎川を守る壁を『ボルガウルジャック』が破壊した。
「これで終わりだ。人々の自由を奪うなら、ここで沈め!『コッコ・ルピア』でとどめだ!」
 敗北が決まった瞬間、鮎川は再び笑い出した。
「はっはっは、確かにお前の言うとおりだ、DM企業戦士。この程度の実力じゃ誰も俺の意見に従いはしないだろう。人々の自由を奪うだけだ。約束通り、乗客は全員解放する」
 納豆団のメンバーが顔を見合わせる。リーダーの言葉に戸惑っていたようだが、やがて全員納得した。
「お前、DM企業戦士ならもっとデッキを持っているだろ?別のデッキでもう一勝負と行こうや」
「ああ、俺はかまわないぜ!」
 時任が別のデッキを出した瞬間、機内に立っていられないほどの衝撃が走る。
「くそっ!舌噛んじまったじゃねぇか!何が起こった!」
 鮎川に言われて納豆団のメンバーが原因を調べる。そして、直後メンバーの一人が戻ってきた。
「大変です、リーダー!エンジンが一機止まったとかで、飛行機の高度がどんどん落ちています!このままじゃ、不時着しますぜ!」
「何だと!?操縦士は何をやってやがる!」
「それが……「納豆にネギを入れられるくらいなら、あっしの人生ここで終わりにした方がましや」とか言って念仏唱えてやがります!」
「ああん!?もうちょっとまともな奴を雇え!」
「そんな事言ってる場合じゃないだろ!とにかく、酸素マスクとかをつけて衝撃に備えるんだ!」
 時任が叫んだその数秒後、不時着した飛行機全体を再び衝撃が襲った。

次回に続く(こんな操縦士は嫌だなぁ)

次回予告
 よう!革命派戦士鮎川時雄様だ。それにしても、時任とかいう奴はいいデュエルをしてたぜ。納豆に対する考え方さえ俺達と同じなら、納豆団の幹部にしてやれたんだが……。勿体ない。何?次回はどうなるんだって?明日の事など、神にしか判らないな。おっと!口が滑った。今の、ヒントだからな。時任がどうなったか知りたい奴は次回『第三十四話 時任、死す!?』を読めよ。って、時任死ぬのか!?


DM企業戦士 時任俊之助 第三十二話


第三十二話 時任、飛び立つ

前回までのあらすじ
 時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)と百瀬光太郎(ももせこうたろう)による、DM企業戦士最強を決める決勝戦が終わった。時任は優勝し、日本一のDM企業戦士となった。だが、時任は言った。まだ夢には到達していない、と。時任は自分の夢を追って新しい戦いのステージへ飛び立とうとしていた。

「今、召喚した『ビクトリー・アップル』を『大菜王ビッグ・ナスディーン』に進化!『ナスディーン』でシールドを二枚ブレイク!『ダンディ・ナスオ』でとどめッス!」
 午後五時以降のDM課は忙しい。時任が大会で優勝してから、年齢を問わず色々なデュエリストが時任に挑戦しに来ているからだ。時任一人だけでは人手が足りないので、熊本(くまもと)や文美(ふみ)も手伝っている。
「『悪魔聖霊アウゼス』でシールドをブレイク!さらに貴様の『ジャガルザー』を墓地に送るぞ」
「くっ、これが日本一を戦い抜いた奴の実力か!」
 さらに、時間がある時は百瀬もやってきて挑戦者の相手をしてくれている。もっとも彼の場合は、色々なデュエリストと戦って腕を磨きたいだけかもしれないが。
 今日も長い戦いが終わり、時任達が帰る準備を始めたのは七時ごろだった。
「なあ、みんな。俺、大事な話があるから聞いてくれないか?」
 時任の真剣な顔に、百瀬、熊本、そして文美は手を休める。
「どうした、時任。お前に真面目な顔は似合わんぞ」
「ほっといてくれよ。……俺、一週間後に会社を辞めるんだ」
 それぞれ驚きの表情を出す三人。
「な……何故だ、時任!何故、会社を辞める必要がある!?」
 皆が沈黙する中、最初に口を開いたのは百瀬だった。彼も、頭の中が混乱しているようだ。その場で冷静なのは時任だけだった。普段の彼とは違い、非常に落ち着いている。
「俺、デュエル・マスターズをやっていて思ったんだ。俺もこんなおもしろいカードゲームを作りたい、人のハートを熱くさせたいって。だから、俺はカードゲームを作るための勉強をする。金井社長にも話をしてあるんだ。俺が本当におもしろいカードゲームを作れるなら、商品として出してもいいって言ってた」
「おじさんも知っていたんですか……?」
 文美の問いに時任は首肯して答える。
「俺は「おもしろい」を研究するために、色々な国のおもしろいものやおもしろい遊びを勉強しに行く。大会で日本一になった時の副賞はそれに使うんだ」
「先輩……。先輩が会社を辞めたら、このDM課はどうなるんスか!?」
「熊本、お前がやってくれ」
 時任は熊本の手を握る。時任の強い意志を持った視線に、熊本は息を呑んだ。
「お前が俺の代わりに……いや、俺以上の課長になってくれ。俺がびびるようなDM課を作り上げて欲しい」
「先輩……」
 突然の時任の言葉。そして、彼が考えた大きなプロジェクト。これこそが、彼の夢だったのだ。
「時任、デュエル・マスターズもやめるつもりなのか?」
 百瀬が時任に向けて、デッキを突きつける。
「デュエル・マスターズをやっていておもしろいと感じたのだろう?これはまだ続けるのだな?」
 時任も笑顔でデッキを突きつける。
「当たり前だ!百瀬、お前の挑戦は何度でも受けてやる!」
「いいだろう。ならば、デュエルだ!」
 ずっと続くと思っていた変わらない日常。だが、変化は突然訪れた。だが、これでいい。
 今までの時任の日常が終わる。それは、古いステージでの演目が終わっただけの事。新しい世界でのカーニバルはここから始まる。

 強い衝撃が、時任の全身に走る。飛行機が離陸したのだ。
 仲間達に退社の事を打ち明けた日の事を思い出していた。あの後、限りある時間を使って、何度も彼らとデュエルをした。そして、出発の前日、時任の仲間達はひとつのデッキをプレゼントしてくれた。
「時任、お前のために我々が力をあわせて作ったデッキだ。このデッキを使いこなせるようになるまで、そして、何かをつかむまで日本には帰ってくるな。いいな?」
 半分泣きそうな顔でデッキを手渡し、すぐにどこかへ去っていった百瀬の姿が非常に印象的だった。
「そうだな……」
 デュエルは仲間がいないとできない。遊びも一人ではつまらない。
 色々な友達と一緒に楽しさを共有できる。それこそが、時任の考えるデュエル・マスターズの最大の長所なのだ。
「カードだけじゃない。みんながいてくれたから、俺はここまで戦ってこれたんだ」
 そして、これからも……。彼らがくれたデッキが時任に無限の力を与えてくれるはずだ。
 彼らとの思い出をかみ締めるために時任が再び目を閉じた瞬間、何かが破裂するような音が聞こえた。目を開くと、目だけが開いたマスクで顔を隠した男達が何人か立っている。手に持っているのは、なんとピストルだった。
「げげっ!旅立ちだってのに、いきなりハイジャックかよ!?」
 時任が驚いて目を見開くと、赤いマスクをかぶったリーダー格の男が話し始めた。他の男は皆、黒いマスクをしている。
「俺達は、革命派組織『納豆団』だ。この飛行機は俺達がジャックした。言う事を聞かない奴はぶっ殺す!ちなみに、この赤いマスクはリーダーの証!覚えておけ!」
 リーダーの男は自分がリーダーである事を強くアピールした。だが、多くの人々にとってそれはどうでもいい事だった。
「このガキ!うるせえぞ!」
 赤ん坊が泣いているのを見つけて、黒いマスクの男が銃を突きつける。
「おい、そのガキを黙らせろ!」
 赤ん坊の両親は、何とか赤ん坊をなだめようとするが、緊張してうまく行かない。そこへ、リーダー格の男がやってくる。赤ん坊に手がかけられるのかと思い、両親の顔から血の気が引く。
だが、リーダーは信じられない事を言った。
「バカヤロウ!テメェが大声出すから赤ん坊が泣くんだろうが!赤ん坊を黙らせる前にテメェが黙りやがれ!」
「は、はい、リーダー……」
 リーダーに一喝されて、黒いマスクの男は黙る。リーダーの演説はまだ続きがあった。
「君達は日本政府と交渉するための人質となってもらう。俺達は日本政府へ法律である事を義務化してもらう。それは「スーパーで売っている納豆に、刻みネギをつける事」だ!納豆にネギは日本人の基本なのに、何故、パックで売っている納豆にはネギが入っていないんだ!これはおかしい!だから俺は間違った日本に革命を起こして、正しい日本に作り変える!」
 非常に間抜けな要求である。だが、そのためにこんな事をするのは許されない。怒りに燃える時任は、後先考えずに座席を飛び出していた。
「おい、お前!納豆にネギを入れるのを義務化しろだと!?ふざけるなよ!俺は納豆にネギを入れない派の人間なんだ。大体、納豆にネギを入れたら、納豆の味とネギの辛味がケンカしちまうだろうが!納豆にネギを入れない人間の事も考えないで、何が革命だ!」
「何ぃ……!?お前、命がいらないようだな」
 リーダーの言葉と共に、マスク男達の持っていた銃が全て時任に突きつけられた。ようやく危険だという事に気付いた時任だったが、すでに遅すぎる。
「や……やばい。あー、まだ使いたかったカードがたくさんあるのに。『バジュラ』とか、『ゼファー』とか、『バルカゲイザー』とか……」
 クリーチャーの名前を聞き、リーダーが反応する。
「ほう……。そう言えばお前は日本一になった時任とかいう奴だな?デュエル・マスターズをする奴に悪い奴はいない」
 そう言って、リーダーはポケットからデッキを取り出す。リーダーの言葉に異議を唱えたい時任だったが、何か言ったらその瞬間銃が火を吹くかもしれない。
「デュエルだ。お前が勝ったら、勝利した瞬間に乗客全員を解放しよう。だが、お前が負けたら……そうだな。お前は一生、納豆にはネギを入れてもらう」
「判った……。その条件を受け入れよう」
 勝っても負けても、今より悪い状況にはならない。それに、乗客がパニックになる事の方が心配だ。
時任は手持ちのバッグからデッキを取り出す。これは決勝で使おうと思っていたデッキの一つだ。
「行くぜぇ、DM企業戦士。革命派戦士、鮎川時雄(あゆかわときお)様が貴様を革命の糧にしてやる」
 テーブルが置かれ、その上に二つのデッキが並ぶ。多くの人を救うため、時任のデュエルが始まった。

次回に続く(何てシチュエーションだ……)

次回予告
 文美です。いきなり、ハイジャックに遭うなんて、結構時任さんらしいかも。それにしても、納豆のために何でそこまでするのかしら?自分でネギを刻んで入れたらいいじゃない。時任さん、そんなワガママな奴は懲らしめてやらなくちゃだめですよ!次回『第三十三話 空の上の決戦』 強大な敵、打ち砕け!『ボルガウルジャック』!

DM企業戦士 時任俊之助 第三十一話


第三十一話 最後に立つ者

前回までのあらすじ
 DM起業戦士最強を決める大会の決勝戦が迫っていた。デッキレシピ提出前日の金曜日。酒を飲ませようとする文美(ふみ)から逃げ出した時任(ときとう)は、偶然、百瀬(ももせ)と出会い、彼と食事を共にする。そこで再会した二人の共通の友人、片桐(かたぎり)はるか。彼女が語る夢。その言葉が二人の闘志を熱く燃やしたのだった。

 会場全体を包む熱気。集まった人々の期待。そして、中継を通じて見ている全国の人々。色々な思いがこれから始まる数分間の戦いにこめられている。
 文美は思った。やはり、時任はこの舞台に立つのに等しい人物だと。そして、百瀬もその資格がある。
「文美さん、よかったッスね。こんな近くで先輩のデュエルを見られるなんて」
 文美と熊本は時任が立つテーブルの近くに座っている。時任のプレイを間近で見られるのは、最高の待遇といっていいだろう。
 それよりも、文美には気になる事がある。時任と百瀬のテーブルの間は、十メートルほど離れているのだ。金井社長には何かの考えがあるのだろうが、親戚の文美にもこの空白の理由は教えてくれなかった。
「雉宮、百瀬さん日本一になっちゃうよ!すごい事だよね!」
「犬飼、落ち着きなさい。君の姿が全国に中継されるかもしれませんよ」
 雉宮と犬飼のコンビも、百瀬の近くの席でデュエルを観戦するようだ。百瀬についてきた彼らだからこそ許される。そして……。
「俊ちゃんと光ちゃんの勝った方が日本一になるんですね?どっちもがんばってほしいな~」
 文美が始めて会ったこの女性。時任と百瀬の知り合いで、名を片桐はるかというらしい。特別にこの席に招かれたのだ。時任側につくのでも、百瀬側につくのでもない。中間地点で二人のデュエルを見ている。
 照明が消えて観客達がざわめく。
「いよいよ始まるのね……」
 暗闇を切り裂く二条の光。スポットライトに照らされて時任と百瀬が会場に入る。二人は、テーブルの前に立つとデッキをテーブルの上に置いた。
「百瀬、最高のデュエルにしよう。勝っても負けても恨みっこなしだ!」
「お前に勝つ私が何を恨む必要がある。お前こそ、全力でかかってこい!」
 デッキをシャッフル。今回は相手のテーブルが遠くてデッキを渡せないので、ジャッジ二人がデッキをシャッフルし、シールドと手札を取った。そして、先攻と後攻が決まり、デュエルが始まる。
「俺から行くぜ!『チッタ・ペロル』を召喚!」
 すると、二人のテーブルの間でどこからともなく炎の塊が現れ、それがクリーチャーの形へと変貌する。小鳥くらいのサイズの『チッタ・ペロル』が現れたのだ。
「すごい!こんな仕掛けがあったなんて!」
 時任は突如出現したクリーチャーに驚いた。観客席からも驚きの声が聞こえる。
「なるほど。昨日の内にデッキリストを提出させたのはこのためか。事前に時任と私のデッキを確認し、クリーチャーのCGを作っておく。そして、会場を暗くし、特殊な効果で空中にクリーチャーの映像を出現させる。エンターテイメントだな」
 百瀬もマナをタップして、クリーチャーを召喚する。彼が呼び出した『秘護精ラビリオン』も映像となって現れ、その辺りをうさぎのように飛びまわっている。
「おもしろい!おもしろすぎるぜ!『青銅の鎧』を召喚して、マナを増やす!」
 映像となって現れた『青銅の鎧』は右手を天にかざす。すると、緑色の雨が映像となって観客席に降り注いだ。
「『霊騎マリクス』を召喚して、私のターンは終了だ」
「なら、一気に行くぜ!『紅神龍ガルドス』を召喚!『ガルドス』で『秘護精ラビリオン』を攻撃!」
 『ラビリオン』に突撃する『ガルドス』。それによって『ラビリオン』は壁まで突き飛ばされ、バラバラになってしまう。
「そして、『青銅の鎧』でシールドをブレイクだ!」
 水色の長方形となって映像化されているシールドを『青銅の鎧』が割る。すると、そこから金色のまばゆい光があふれ出した。
「何っ!まさか……!?」
「その通りだ、時任。シールド・トリガー、『霊騎ミューズ・リブール』!パワー3000以下のクリーチャーを全てタップ!」
 空を飛びまわっていた『チッタ・ペロル』の動きが突如止まり、落下していく。
「私のターンだな。『アクアン』を召喚し、手札を補充するぞ!」
 百瀬は五枚の手札を補充し、反撃の準備を固める。
「さらに、『ミューズ・リブール』、『マリクス』で『チッタ・ペロル』と『青銅の鎧』を攻撃!」
 時任のクリーチャーが全滅する。だが、まだ戦いは始まったばかりだ。
「やってくれるな、百瀬!俺は『フェアリー・ライフ』を使う!そして、『サイバー・ブレイン』で手札補充!」
 時任はマナと手札を増やして長期戦の準備をした。百瀬にもそれが判る。
「踏み込むのは危険なようだな。ならば、『ミスト・リエス』を召喚。私のターンは終了だ」
 互いに、相手の手の内をにらみ合う。相手よりも少しでも有利に攻めるために……。そして、にらみ合いが終わった時、最高の激突が始まるだろう。

「おもしろいですね。俊ちゃんと光ちゃんの対決」
 いつの間にか文美の隣に片桐が来ていた。にこにこと笑顔で二人のデュエルを見ている。
「判りますか?」
「実は、どうすれば勝ちなのかよく判らないんですけど、色々な動物がでてきて楽しいですね。次に何が出てくるのかってわくわくしちゃう」
 デュエル・マスターズを知らない片桐までも魅了し始める。この二人の戦いには、他の者では代わりになれない何かがあるのだ。
「二人ともすっごく楽しそう。小学生の時と同じ顔をしてる」
 文美は時任と百瀬の表情を見た。今まで二人が戦っている時と変わらないような気がする。だが、言われてみれば彼らの表情は何かに夢中になる子供と何も変わらない。
「そっか……。何か、判った気がする」
 夢中になる事。それは生きていく原動力。彼らのデュエルはそれを教えてくれるのだ。二人がデュエルに夢中になり、そして多くの人がそれを観るのに夢中になる。ここに、一つの大きな繋がりが生まれている。

「『緑神龍グレガリゴン』で、百瀬の『ファルマハート』を攻撃!」
「『秘護精ラビリオン』でブロックだ!」
 中盤に差し掛かった二人のデュエル。百瀬のシールドはあれから傷をつけられていない。四枚残ったままだ。クリーチャーは『聖帝ファルマハート』、『霊騎サイヤ』、『聖霊提督セフィア・パルテノン』の三体である。
 時任のシールドは無傷の五枚。クリーチャーは『緑神龍グレガリゴン』が一体。それとは別に『アクテリオン・フォース』がジェネレートされた状態で置いてある。
「ならば、そろそろ本気を出そうか……」
 百瀬が上着を脱いで床に投げ捨てる。前回と同じように、鈍い音がした。だが、それだけではない。上着を脱いだ百瀬の体には、バネなどを仕込んだ拘束具のような物に覆われていたのだ。
「あれは、最強デュエリスト要請ギプス!百瀬さんはあれをつけてデュエルをしていたのか!」
 タイミングよく説明的なセリフを入れる犬飼。百瀬は最強デュエリスト要請ギプスを外し、肩をほぐす。
「つーか、お前何年前の少年マンガだ!ノスタルジーを感じるぞ!」
「時任、本気の私を相手にできる事に後悔と喜びの入り混じった感情を抱くがいい」
 時任は、百瀬の目にぞっとした。アルフレッドを倒した時よりも、さらに鋭い視線。それは常に時任に向けられていたのだ。
「まず、『ウエーブ・ランス』を使う!」
 津波が現れ、『グレガリゴン』を覆う。波が流れ去った後の場に、『グレガリゴン』は残っていなかった。
「『ウエーブ・ランス』はクリーチャーを戻し、それがドラゴンだった時に一枚引けるカード。そして、私はそれによって引いたこの切り札を使う!」
 百瀬が切り札を天にかざすと、場にいた三体のアーク・セラフィムが光の粒子となって混ざり合い、形を変えていく。そこから生まれたのは光のフェニックス、『超新星ヴィーナス・ラ・セイントマザー』だった。
「こんなでかいクリーチャーがあったなんて!」
 時任が息をつく暇もなく、三枚のシールドが割られる。その一枚が緑色の輝きを発した。
「そうか!俺にはこのシールド・トリガーがある!シールド・トリガー、『ナチュラル・トラップ』!よかったな、百瀬。これでマナは一気に増えるぜ。切り札はいなくなるけどな!」
「甘い!甘いぞ、時任!『ヴィーナス・ラ・セイントマザー』のメテオバーンを使う!」
 『セイントマザー』に絡まろうとする緑色のツタが、見えない壁によって弾かれる。
「そんな……!『ナチュラル・トラップ』が効かない!?」
「先輩!『ヴィーナス・ラ・セイントマザー』はバトルゾーンを離れる時にメテオバーンを使う事で、場にとどまる事ができるッス!」
「げげっ!しかも、パワーが12500でT・ブレイカー。しかも、『ファルマハート』を進化元にしてたから、まだ三回もメテオバーンが残ってやがる!」
 時任のターンになった。だが、あれだけのクリーチャーを倒す術はない。
「いや……待てよ。俺のデッキなら、できる!俺のドラゴンなら、『セイントマザー』を倒せる!」
 『グレガリゴン』をマナに置いた時任。そして、裏向きにした二枚の手札を見せて百瀬に宣言する。
「俺はこの二枚を使って、お前の『セイントマザー』を倒す!」
「おもしろい……。やってみろ、時任!」
 時任はマナをタップする。燃え盛る炎の中から、彼の切り札が登場した。
「これが俺の切り札、『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』だ!」
 時任の『ボルベルグ』は『アクテリオン・フォース』をクロスする。
「そうか!これで、先輩の『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』は攻撃した時にパワーが9000上がってパワー16000!しかも、スピードアタッカーだから、このターンに攻撃ができるッス!」
 形勢逆転と思われたが、それを見て百瀬は笑い出す。
「笑わせるな、時任!『セイントマザー』はメテオバーンがある。このターンの攻撃をしのいで次のターンに『セイントマザー』で『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』を攻撃すれば、貴様の負けだ!」
 百瀬の言葉に、ふっと笑みをもらす時任。その余裕に百瀬は鳥肌が立つ。
「まさか、貴様……!」
「ああ、もう気付いただろう?1マナで起こせる奇跡って奴に!『無限掌』、発動!『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』を強化するぜ!」
 『無限掌』によって時任の『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』はバトルに勝つとアンタップできるようになった。
「俺の『ボルベルグ』は、『セイントマザー』のメテオバーンが切れるまで攻撃できる!『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』!百瀬の『セイントマザー』を攻撃だ!」
 『アクテリオン・フォース』で武装した『ボルベルグ』が放つ怒涛の連続攻撃。メテオバーンを使ってもアンタップされるので意味がない。『ボルベルグ』の背中にある二つのキャノン砲が、『セイントマザー』の体を貫いた。
 爆(は)ぜる『セイントマザー』の肉体。そして、轟く爆音。
「さらに、『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』でT・ブレイク!ターン終了だ」
 切り札を失い、シールドも残り一枚。だが、何故か百瀬は喜びを感じずにはいられなかった。
「それでこそ、時任だ。さあ、もっと私を楽しませろ!」
 百瀬は再びカードを動かし、デュエルを続ける。

「遊ぶとかカードゲームとかは生きるのに無駄な物だと、言う人もいるだろうね」
 会場の上側にある特別席で、金井社長と一ノ瀬少年は二人のデュエルを見ていた。そこで社長はぽつりと言葉を漏らす。
「デュエルも無駄ですか?」
「そう思う人もいるだろう。だが、無駄でもいいじゃないか。僕達は多くの無駄を生み出して生きている。そうしないと生きていけない」
 金井社長の目は優しい色をしている。その目は、時任と百瀬の二人が夢中になってデュエルをしている姿を見ている。
「生きるのに役に立つものが存在するのは普通だ。でも、生きるのに無駄なのに存在し、愛されるものがある。素晴らしい事じゃないか。役に立つものよりも素晴らしい。そして、それらは役に立つものでは与えてくれない喜びを僕らにくれる」
「喜び……?」
 満たされていると感じる一ノ瀬少年にはよく判らない。だが、きっと成長してくに連れて、少しはこの言葉が判っていくのだろう。
「映画でもなんでもいい。僕達には無駄なもの、役に立たないものが必要なんだ。それが、動物とは違う、人間として生きるという事でもあるんだ」

 デュエルはすでに終盤。互いにシールドは一枚もない。百瀬のバトルゾーンにはタップされた『ファルマハート』が一枚。そして、時任の場には『アクテリオン・フォース』をクロスした『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』が一枚ある。
「俺のターンだな、百瀬」
 百瀬には勝機があった。時任のデッキには、『ボルベルグ』以外に召喚したターンでプレイヤーを攻撃できるクリーチャーはいない。そして、『ファルマハート』はメテオバーンでブロッカーになれる。時任の攻撃を防げば、手札にあるクリーチャーで勝つ事ができる。
「俺はもう『ファルマハート』には負けない。『無限掌』で『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』を強化!」
「何だと!」
 過去にこの戦法で時任に勝利した百瀬。だが、時任は過去の経験を活かして成長していた。
「『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』で百瀬を攻撃!」
「『ファルマハート』のメテオバーンでブロックだ!」
 『ファルマハート』を犠牲にして攻撃を防ぐも、『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』は再び攻撃の準備に入る。
「百瀬、ありがとよ。最高のデュエルだったぜ!『ボルベルグ・クロス・ドラゴン』、百瀬を攻撃だ!!」
 二条の光線が百瀬を貫く。ライバル同士の戦いは時任が制したのだ。
「俺……勝ったのか?」
 時任は周囲を見る。そして、一人で震えている。
「先輩!」
「時任さん!」
 客席を飛び出して、熊本と文美が時任に駆け寄った。
「うおーっ!俺、スゲーっ!」
 そして、時任はようやく自分が優勝した事を確信し、その場で飛び上がる。ついに、日本最強のDM企業戦士が誕生したのだ。
「ありがとう、『ボルベルグ』。あと、『無限掌』……そして、みんな」
 自分のデッキを愛しそうに抱きしめる時任。そこへ、百瀬と犬飼、雉宮が歩み寄る。
無言で手を差し伸べる百瀬。
「ありがとう、百瀬。ここまですごいデュエルができたのは、お前のお陰だ」
「ふん……。次の大会がいつ開催されるか判らんが、優勝はお前に預けておく。次の決勝戦、勝つのは私だ。覚えておけ」
 上着を羽織り、百瀬は時任に背を向けて会場を去っていく。
「百瀬ーっ!表彰式はいいのかよ?お前二位なんだぞ!」
「二位などいらん。私が欲しいのは、最高の時任に勝利したという満足感だけだ」
 百瀬は去っていった。それに遅れて犬飼と雉宮もついていく。
「俊ちゃん、おめでとう」
 そこへ、片桐もやってきた。興奮したのか、頬が赤く染まっている。
「ありがとう、片桐も見に来てくれたんだな」
「うん、俊ちゃんもこれで夢が叶ってよかったね!」
「夢……?」
 時任は、片桐が何気なく発したその言葉に違和感を覚えた。時任の夢は優勝する事だったのだろうか。いや、違うと言い切れる。
「まだ、俺は夢には到達していない。もっと、もっと先の方に俺の夢はあるんだ!」
 今なら見える。時任が追いかけたい本当の夢。それに気付いたこの瞬間、時任の新しい戦いが始まろうとしていた。

次回に続く(ついに大会編完結!)

次回予告
 熊本ッス!ついに大会も完結ッスね!先輩が優勝してくれたお陰で、会社も融資を受けられて大きな計画に乗り出しているみたいッス!そんな中、先輩は……えっ!退職!?先輩、何で会社をやめちゃうんスか!次回『第三十二話 時任、飛び立つ』

DM企業戦士 時任俊之助 第三十話


第三十話 到達点

前回までのあらすじ
 金井(かない)社長が主催するDM企業戦士達の大会は、ついにクライマックスを迎えようとしてた。予選から始まった長い大会には、様々なアクシデントが起こり、人々の心を熱くした。そんな中、決勝まで登りつめた時任(ときとう)と百瀬(ももせ)。彼らの戦いは人々に何を与えるのか?

 決勝が間近に迫った金曜日の夜。時任、文美(ふみ)、熊本(くまもと)の三人は鳥尾三郎(とりおさぶろう)の店に来ていた。決勝で使うデッキについて討論しながら食事をするためだ。
「つーかさあ、やっぱり俺のデッキだからドラゴンがメインじゃないと魂が震えないわけよ。って、事でドラゴンデッキに決まり!」
「先輩、そんな簡単に決めちゃ駄目ッスよ!ここはマナブーストを駆使しながらビーストフォークで速攻を決めるべきッス!」
「何言ってるの、熊本君。水で手札補充しながら、闇文明の手札破壊で戦略を崩す。でも、マナブーストもいいかもね。『ロスト・ソウル』が撃ちやすくなるし」
「だぁーっ!だからドラゴンデッキだっつーの!ビーストフォークも『ロスト・ソウル』も入らないよ!」
 そう言った時任がウーロン茶に口をつけると、一瞬で脳が爆発するような感覚に襲われた。
「うぇ……これ、ウーロン茶じゃないや」
「時任さん、何言ってるんですか!それはウーロンハイですよ。ウーロン茶に焼酎が少し入ってるだけだから、ウーロン茶と似たようなもんです!」
「酒……?」
 酒が苦手な時任にとって、割った酒でも摂取するのは危険である。
「俺、ちょっと外に出てる……」
 時任は一度店の外に出て、近くをふらふらと歩いていた。夜風に当たると、乱れていた思考が少しずつまとまっていく。
「お前、時任ではないか」
 聞き覚えのある声にふと振り返ると、そこには百瀬がいた。どうやら、会社の帰りのようである。
「おお~、浦島太郎~」
「とうとう桃太郎ですらなくなったか!私は百瀬光太郎(こうたろう)だ、こ・う・た・ろ・う!お前の部下にもきちんと言っておけ!」
「部下?ああ、熊本と文美ちゃんの事か。あの二人は部下じゃないんだ。一応、俺はDM課の課長だけど、うちの課は俺一人しかいないし。それよりも百瀬聞いてくれよ~。文美ちゃんが俺に酒を飲ますんだ。あれはアルハラだ~!」
「大の男が酒ごときで騒ぐな。食事がまだなら、いいところに連れて行ってやる」
 そう言って歩き出す百瀬。食事の途中で出てきてしまったが、特に問題はないだろう。文美に酒を飲ませると大変な事になるので、熊本に任せておいた方が良さそうだ。
 数分歩いて駅ビルの中に入った二人は、イタリア料理のレストランに入った。
「ここは金曜と土曜の夜は1時間限定でビュッフェスタイルの食事が取れる。好きなものを取ってくるがいい」
「へえ、そりゃいいな。好きなものを好きなだけ食えるのって、最高!」
 ピッツァや、パスタなどを取ってきた二人は席について食事を始める。オレンジジュースを飲む時任に対し、百瀬はワイングラスに入った赤い液体を飲んでいた。何かとワインを混ぜたカクテルだと聞いていたが、横文字が苦手な時任には覚えられない。
「デッキレシピの提出は明日だな」
「ん?ああ、そうだね」
 レバーペーストが乗ったトーストを食べていた時任は、百瀬に言われてその事を思い出した。いつもならば、デッキレシピの提出は大会当日でよかったのだが、今回だけは一日早くなった。
「俺のデッキはまだ決まってないよ」
「時任の事だ。どうせまたドラゴンデッキを作ろうとしていたのだろう?」
「ば、バカ言うな!俺はそんな単純じゃねぇ!」
 図星であった。百瀬にまで読まれるのであらば、熊本や文美の言うように全く別のデッキを作るべきなのだろうか?
「お前はいつもワンパターンだな。バリエーションという言葉を知らんのか?」
「でも、それが俊(しゅん)ちゃんのいいところだと、わたしは思うな」
 ふいに女性の声がして、時任と百瀬は固まる。二人がけのテーブルに椅子をつけて、細身の女性が座っていたのだ。
 年齢は時任や百瀬と同じくらいだろうか。髪は黒く長い。そして、それとは対照的に着ている服は白かった。目はくりくりしていて大きく、そこだけ見ると子供のような印象を受ける。
「……知り合いか?」
「いや……」
 百瀬が時任に問うが、時任はまったく覚えていない。だが、この女性は明らかに時任を知っているような口ぶりだったが。
「もう!光(こう)ちゃんもわたしの事忘れるなんてひどい!俊ちゃんが忘れっぽいには昔からだけど、光ちゃんは覚えてると思ってたのに……」
「俊ちゃん……光ちゃん……。もしかして、君は片桐(かたぎり)女史か!?」
「えっ!?片桐って言ったら、俺達と小学校の時に一緒だった片桐はるか!?」
 時任と百瀬の頭にその記憶が蘇ってくる。小学校の時の時任と百瀬のコンビにいつもくっついていた少女、それが小学生時代の片桐はるかだ。
「ああ、よかった……。二人とも思い出してくれたみたい」
「いや……すまない。君に言われるまで完全に忘れていたようだ」
「ところで、片桐。何でここにいんの?一人?」
 片桐は周りを見る。そして、首をかしげた。
「おかしいな?さっきまで一人じゃなかったのに……」
「片桐先生ー!」
 その時、眼鏡をかけた美形の男性が店に入ってきて時任達がいるテーブルに近づく。
「駄目じゃないですか、先生。一人で勝手にどこかに行かないでくださいね、とあれほど言ったでしょう。ん……?」
 その眼鏡の男性は時任と百瀬の顔を見て驚く。時任達二人もこの男性を知っていた。
「あなたは、一回戦で熊本と戦った紫村(しむら)さんですか?」
「そうです。覚えてくださって光栄です」
 紫村士郎(しろう)。熊本と戦って敗れた男。詩集専門の出版社、転生舎の社員だ。
「二人とも紫村さんの事知ってるの?紫村さんのカード仲間?」
「そのようなものだ。片桐女史こそ、紫村さんの知り合いか?先生と呼ばれていたようだが」
「そうだよ、光ちゃん。わたしは詩集の先生!紫村さんがわたしの編集さん!」
 百瀬も時任もこの言葉を聞いて素直に驚いた。片桐は昔から文章を書く才能に恵まれていたが、まさかプロになるとは……。
「すげえな……。俺も同じ歳なのに、ただのサラリーマンだよ」
「まったくだ。才能が開花したという事か。我々の想像を超えるような努力をしたのだろう」
「夢だったからね!他の人は努力したっていうけど、わたしは努力したなんて思ってないよ。努力ってつらい事を我慢してやるものだけど、わたしはつらい事も我慢もしていないもん。言葉とお話してただけ」
 夢に到達したものの言葉は、何気ないようでいて重い。その裏には他の者には出せない強い説得力があるからだ。
「夢……か」
 時任、そして、百瀬の今の夢は何か。言うまでもない。
「時任、我々の今の夢は判っているな?」
「ああ、俺達の今の夢はきっと同じだ」
 金井社長が用意してくれた舞台で、全ての力をぶつけた最高のデュエル。それを意識した途端、時任はデッキを作りたくて仕方がなくなってくる。
「燃えてきたぜ。これが俺達の到達点だ!」
 決勝まであと二日。夜がゆっくりと過ぎ去っていく。

次回に続く(食事シーンを書くと空腹になるのが問題)

次回予告
 紫村です。また、僕の出番があるとは思いませんでしたね。それにしても、先生が時任さん達の知り合いだったとは驚きでした。次回はついに決勝戦。百瀬さんは鉄壁の防御網を展開し、時任さんを翻弄します。時任さんも自分のデッキを信じて突き進み、ついに互いの最高の切り札が激突します!次回『第三十一話 最後に立つ者』多くの希望、継げ!『ボルベルク・クロス・ドラゴン』!

わん太ちゃん「わんわん!(訳:わーい、雪だ!雪だー!遊ぼー!)」

 登場人物
・ネギ博士
このコラムを書いている人。
・わん太ちゃん
ネギ博士の脳内にいるラブラドール・レトリーバーのわんこ。

わん太ちゃん「わんわん!(訳:久し振りにトラックバックテーマを使った記事だよ!今回は『第629回「雪」』だって!)」
ネギ博士「それにしてもこのわん太ちゃん、ノリノリである(タイトル参照)」
わん太ちゃん「わんわん!(訳:雪が降ると楽しくなっちゃうよ!)」
ネギ博士「雪か……。先月の寒い時に降ったから、今年は大量に降るような寒い冬になるのかと思ったら、今のところそうでもない感じだよね。予報で「今年の冬はヤバいぜ!寒くなるぜ!」と言ってたから警戒していたんだけどね。ただ、明日は雪が降るみたいだし天気も荒れるっぽいからこれから寒くなるかもね」
わん太ちゃん「わんわん!(訳:博士!雪でボール作って!ボール作って!)」
ネギ博士「はいはい……。わん太ちゃん、雪合戦やったり雪だるま作ったりしている奴は雪素人か、もしくは子供だけだぞ」
わん太ちゃん「わんわん(訳:じゃあ、博士はスキーとかスノボとかやればいいじゃない)」
ネギ博士「スノボは一生やらないと思う。スキーも残りの人生で一回やるかどうかかもしれないな。それに、ウインタースポーツをやるのはスポーツ大好き人間か雪素人だけだ。私のような雪プロフェッショナルはそんな事はしない」
わん太ちゃん「わん?(訳:雪プロフェッショナル?)」
ネギ博士「雪を楽しむ事に精通した者だけに与えられる称号だ。私が勝手に作って勝手に名乗っている」
わん太ちゃん「わんわん!(訳:そんなのダメだよ!)」
ネギ博士「雪プロフェッショナルの雪の楽しみ方はシンプルかつ通好み。雪が積もった光景をひたすら眺める。これが最高にして最良の雪の楽しみ方だと思うな。それに、結構贅沢でもあると思う。雪が積もった光景を見つけるのも結構大変だし、それをただ眺めるだけっていうのはなかなかできる事じゃない」
わん太ちゃん「わんわん(訳:これから雪が積もったら、雪を眺めるの?)」
ネギ博士「もちろんだとも。私はこれが最高だと信じて疑わないからね。じっくり眺めてゆっくり楽しむとしよう」

昔の作品の方がおもしろかった?

 登場人物
・ネギ博士
このコラムを書いている人。
・わん太ちゃん
ネギ博士の脳内にいるラブラドール・レトリーバーのわんこ。

ネギ博士「やれやれ。このブログでものすっげー久し振りにまともな記事を書くような気がするよ。と言っても比較的まともってだけで、全然まともじゃないかもしれないけれど」
わん太ちゃん「わんわん(訳:それでもちゃんとした記事を書いてくれるのは、ぼくうれしいよ。今回はどんな話なの?)」
ネギ博士「この前の飲み会で飲んだカミカゼというカクテルが私の舌に合わなかった話。ライム系のカクテルはどうも苦手だ」
わん太ちゃん「…………」
ネギ博士「冗談だからそんな悲しい顔しないでよ、わん太ちゃん。この前の飲み会での出来事がこのブログの記事のネタになっているのは本当だけれど、カクテルのネタじゃないよ。今回の飲み会は私と同世代(つまり、二十代前半)のメンバでの飲み会だったんだけれど、そこで「昔のマンガの方が今のより面白かった」っていう話題になったんだよね。ここでのメンバは俗に言う大きいお友達じゃないよ。で、話題はすぐに別の事に変わったんだけれど、「昔のマンガの方がおもしろかった」っていうのが私の中で引っ掛かってね」
わん太ちゃん「わんわん(訳:博士はそう思わないからズレを感じたの?)」
ネギ博士「いや、マンガに限らず、ドラマや小説やゲームのようなストーリーを取り扱う分野は昔の作品に比べて衰退していると思う。「昔のマンガの方が面白かった」っていうのは、(その本人の思い出による補正もあるかもしれないけれど)ネットでもよく目にする話だよね。これは何故なんだろうね?」

◆何を参考資料にして作品を書くか?◆
ネギ博士「どこかで語った気もするけれど(このブログではまだ語っていないはず)私は「小説を書く時は小説以外の参考資料を探せ」って言いたい。ここでいう参考資料は、作品で扱う専門知識(たとえば、医療に関する小説だったら医療に関する資料)じゃなくてストーリー作りに関する参考資料ね」
わん太ちゃん「わんわん(訳:でも、小説を参考にしなかったら何を参考にしたらいいの?)」
ネギ博士「マンガ、ゲーム、ドラマ、映画、舞台での演劇、寄席、落語……。とにかく、小説以外のメディアを使用したストーリーの表現はたくさんあるわけだ。小説だけに固執していないで、色々なものを参考資料として見るようにするといい。特に、小説家になった人は映画を多く見ているっていうケースが多いよね。私が調べたサンプルにばらつきがあるのかもしれないけれど、映画を多く見るってのは重要だと思う。
最終的に何が言いたいかっていうと、参考資料が偏っているんじゃないかと思うんだ。マンガ家ならマンガを参考にしすぎるとか、小説家なら小説を参考にしすぎるとか。
もちろん、これは様々な理由の一つなんだろうけどね」

◆おわりに◆
ネギ博士「人間、どうやっても昔のものと比べてしまう。私が書いているDM小説だって何かと比べられているかもしれん。だが、比べられた上で私の作品の方が面白いと言ってほしい。そのための努力を惜しむか惜しまないかの違いは大きいと思う」
わん太ちゃん「わんわん(訳:珍しくまじめな記事になったね)」
ネギ博士「じゃ、この辺りでボケをかましておこうか」
わん太ちゃん「わんわん!(訳:最後までまじめに終わらせてよ!)」

Twitter

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

検索フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。