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『コードD』File.23 幻惑のコンサート

『コードD』
 デュエル・マスターズ。
 それは、魔力によって生み出された四十枚のカードを使用する戦闘魔法の奥儀。
 これは、デュエル・マスターズカードを使って戦う若者達の『ウソのようなホントウ』の物語である。
 若月湊(わかつきみなと)は、魔力を失った今でも予知夢を見て夢の中に出てくる自分と同じ外見の少女の声を聞く。予知夢は現実のものとなり、彼の前に夢の中で出てきた和服の少女が現れる。和皿のプライズが魔道書同盟の怪人、ジャンク男にとらわれている事を知った湊は、一ノ瀬彩矢(いちのせあや)が持ってきた薬で魔力を回復させ、相羽征市(あいばせいいち)の家で発見されたカードを使ってデッキを強化する。
 目的のためにジャンク男を放った幻(げん)だったが、征市達を見てジャンク男を逃がそうとする。しかし、ジャンク男は湊の攻撃に逆上し、幻の命令を無視してデュエルを挑む。湊はジャンク男を倒し、奪われた和皿のプライズを取り戻すのだった。

  File.23 幻惑のコンサート

 暗い部屋の中で壁を叩く音が響く。幻は苛立たしさを隠そうともせず、歯を食いしばって壁に拳を打ち当てる。最初は全(ぜん)も注意したのだが、幻がその注意を聞かなかったので今は何もせずに彼を眺めていた。
「全がいけないんだ!命令を聞かない欠陥品の怪人なんか作るから!」
「なんですってっ!小生のジャンク男ちゃんが欠陥品だって言うのっ!?」
 ジャンク男は、大量のプライズを吸い込み、吸い込んだプライズのエネルギーを使って自爆し、人々に被害をもたらすために生み出された怪人だ。幻は、手当たり次第にプライズを吸い込む能力を利用してトライアンフに気づかれずに『龍の爪』を入手するつもりだった。
 しかし、トライアンフのデュエリストに作戦を二度も妨害され、『龍の爪』を入手したジャンク男が逆上し戦いを挑んで敗北する。『龍の爪』はトライアンフに奪われてしまったのだ。
「そうだろう。ジャンク男があの場で逆上せずに僕の命令に従っていれば『龍の爪』は入手できた」
「全がちゃんとジャンク男ちゃんを守らないから『龍の爪』が取られちゃうのよっ!小生のかわいいジャンク男ちゃんを侮辱するのは許せないわっ!」
 二人は睨み合ったまま、一歩ずつ近づいていく。互いに手が届く距離まで近づいた時、二人の間を遮るように一本の黒いステッキが突き出された。二人は立ち止まり、そのステッキの持ち主を見た。
「初めましてと言いたいところだが、タイミングが悪かったようだね。我々人間より長く生きて、たくさんの知識を持っているはずの魔道書同盟でもこんなくだらない喧嘩をするとは、実に面白い。長く生きるというのはいいものだ。こういった面白いものを見る機会が増えるという事だからね」
 ステッキの持ち主は、二人の間に突き出していたそれを腕にかけると赤いラインの入った黒い帽子を取って古い洋画に出てくる紳士のような芝居がかった仕草で頭を下げる。不自然な青色をした髪に帽子をかぶると、その男は握手を求めるように右手を出した。
「変なファッションね」
 全が言うように、その男は赤いズボンに濃いグリーンのジャケットという奇妙な配色の服装だった。幻は、その服装を疑問に思う全も外に出れば目の前の老人と同じように奇異なものとして映ると思ったが、黙っていた。
「勝手に入ってきて握手を求めるとはおかしな人だ。何の用だい?」
「自己紹介が遅れたな。申し訳ない。僕の名はジャロール・ケーリック。トライアンフから『龍の爪』を奪い返してあげようと思って話しかけたのさ!」
「『龍の爪』を奪い返すですって?」
 ジャロールの言葉に、全が笑い出す。
「面白い冗談だわっ!魔道書のプライズとして長く生きてきたけれど、こんな面白いものが見られるとは思わなかったわっ!」
「ふむ。今のは、僕の言葉に対する皮肉かね?」
「そう受け取ってもらってもかまわないわっ!あんたがデュエリストとしてどれほどの実力を持っているかは判らない。けれど、あんたみたいな老いぼれがトライアンフの連中に勝てると思っているのっ!?」
「勝敗の基準が曖昧ではあるが、僕はトライアンフに勝った事はあるよ」
 トライアンフに勝った。その一言が場を凍りつかせ、全を黙らせる。
「君達もトライアンフについて調べているならば判るだろう。五月に博物館でトライアンフのメンバー二人を含めた多くの人間が眠ったまま目を覚まさなかった事件。あれをやったのは僕だ。尤も、あれはとあるプライズのテストのようなものだったから、トライアンフ自体を本気で相手にしようとは思わなかったが」
「実力は……あるみたいだね」
 幻が呟いた。
 彼は、ジャロールが言った事件を知っている。それまでトライアンフは全ての事件で実行犯を拘束、もしくは使われたプライズの機能を停止させている。しかし、その事件では征市と陸がジャロールの罠によって眠らされ、ジャロールはその場から姿を消してしまった。自分達以外でそれだけの事ができた者の存在を、幻は知らない。
「あの時の僕の目的は達成できなかったが、彼らに負けたわけではないからね。むしろ、負けたのは彼らの方だよ」
 ジャロールは、そう言うと片眼鏡の丸いレンズごしに二人を見た。彼の視線を受けながら幻は軽く息を吐く。
「君のアイディアを聞こうか、ジャロール」
「幻!本気なのっ!?」
 ジャロールの存在が気に食わないのか、全は大声を上げて聞き返す。幻は気にせず
「残念だけど、今の僕では龍の爪を奪う方法は思いつかない。だが、目の前の男は策があると言うんだ。賭けてみてもいいだろう」
と、言った。しかし、その直後ジャロールを睨みつける。
「アイディアを聞くとは言った。しかし、君を信用して任せるとは言っていない。本当に君は信用できるのかな?」
「トライアンフは僕にとっても邪魔な存在だ。トライアンフを蹴散らすのに知恵が必要ならアイディアを出し、アレを生み出すのに龍のプライズが必要だというのなら僕が持っている『龍のひげ』を差し上げよう」
 その言葉に二人は目を見開く。
「本気で言っているのっ!?龍のプライズを渡すなんて何を企んでいるのっ!?」
「話は最後まで聞いていただきたい。アレを生み出すのに協力はするが、協力するために二つの条件を提示させていただく。僕は不老不死に興味があるからね。僕を不老不死にするための研究に協力する事。そして、アレによってこの世界の地獄を見る人々を、最高の場所で見せていただきたい」
「不老不死ねぇ……」
 幻は訝しがりながらジャロールの顔を見る。笑顔が貼り付いたその顔からは何も見えてこない。
「本当にその二つの条件で満足するのかい?」
「もちろん。不老不死という僕の全てを賭けた研究が完成するのならばそれ以上の対価はない。それに、アレが動き出した時、人々がどんな表情で壊れていくのか見たいと思うのは当然の欲求ではないかな?」
 幻は、口元に不敵な笑みを浮かべながら手を差し出す。ジャロールはそれを握った。
「僕が作戦を監視する。その条件で君の作戦を採用しよう」
「ありがたい!では、早速行動を開始しよう!」
 ジャロールはステッキを回しながら出口に向かって歩いていく。そして、途中で立ち止まると
「きちんと『龍のひげ』も差し上げるから心配しないでもらいたいものだね。今回の作戦で必要だから渡すのは作戦の後になる。君は、心配せずにそこで二つの龍のプライズが来るのを待っているといい」
と、全に告げた。

「奴らの狙いが判った」
 征市がトライアンフの事務所に入った時、一真(かずま)はそう言ってメンバーを見た。彩矢を含む全てのメンバーが一真の話の続きを待つ。
「一昨日の博物館での事件を覚えているか?」
「拳銃のプライズを持った男が暴れた事件ですね」
 一真の問いに陸(りく)が答える。
「ああ、そうだ。奴は幻に拳銃のプライズを与えられた事を話した。奴は魔道書同盟の囮だったんだ」
 驚くメンバーに菜央(なお)はデスクの上に置いてあったノートパソコンの画面を見せる。何かのリストのようなものが書かれていた。
「これは、あの博物館からなくなったプライズのリストです。拳銃のプライズを持った男を使って注意を引き、プライズを奪うのが目的だったようです」
「そして、昨日の事件では幻がジャンク男を使って様々なプライズを手当たり次第盗んでいた。ジャンク男の能力を使い、生きた爆弾としてどこかにぶつけるのかと思ったがそうではない。奴らの目的はあるプライズを集める事にあった」
「ちょっと見せて」
 彩矢は菜央からパソコンを受け取り、博物館から盗まれたプライズのリストを見る。そして「やっぱり」と呟いた。
「何かあったのか」
「征市さん、見て下さい。博物館から盗まれたプライズの中に『龍の翼』が入っています!」
「嘘だろ……?」
 征市だけでなく、陸と湊もそのリストを見る。彩矢が言うように『龍の翼』がリストの中に入っていた。
「昨日、ジャンク男の中に入っていたのは『龍の爪』。そして、アタシ達がいた博物館で盗まれたのは『龍の翼』。魔道書同盟は龍のプライズを集めて何かしようとしているって事ですよ!」
 昨日、ジャンク男の残骸から『龍の爪』を見つけた時、彩矢は険しい顔をしていた。
 通常では考えられないほどの魔力をその身に宿した龍のプライズ。謎に包まれている部分が多く、いくつ作られているのか。そして、何のために存在するのかもよく判っていない。
「幻の奴、龍のプライズを集めて何をするつもりなんだ。もしかして、強力なデッキとか魔力を入手して強くなるとか?」
「陸、嫌な想像するなよ」
 陸だけでなく、征市もそれは考えていた。ただでさえ強力な魔道書同盟のメンバーがプライズの魔力を吸収してさらに強くなったら、新たなデッキを入手した征市でも太刀打ちできるか判らない。
「他にも新たな怪人を生み出すための材料として入手した可能性もある。龍のプライズを使って何をするのか、目的は判っていないが俺達がやるべき事は判っている。今、俺達が持っている『龍の爪』を奴らに渡さないように保護し、他の龍のプライズを守り、奴らが持っている『龍の翼』を奪還する」
「魔道書同盟から『龍の翼』を奪い返すのは簡単な事ではありません。私達も他の龍のプライズについて調べ、魔道書同盟よりも先に龍のプライズを入手しましょう」
「……そうだな」
 征市は重い口調で菜央の提案に賛成する。龍のプライズに関する情報がほとんどない状況で、どの程度の事ができるのか征市には判らない。だが、手をこまねいて見ているわけにもいかないのだ。
「俺は龍のプライズについて調査を始める。お前達は――」
 一真が他のメンバーに命令をしようとした時、机上の電話が鳴った。菜央が受話器を取り、その声を聞いて表情が凍り付いた。
「リーダー、どうしたんですか?」
 そう聞いた陸に菜央は受話器を渡すと
「ジャロール・ケーリックからです」
と、答えた。それを聞いて陸の目つきが鋭く変化し、ひったくるようにして受話器を奪い取った。菜央は陸の目つきに怯えながら、メンバー全員にジャロールの声が聞こえるように音声をスピーカーに切り替える。
「ジャロール!」
『久し振りだね、陸!元気にしていたみたいで嬉しいよ!君の元気な声が聞こえて本当によかった!』
「何の用だ!場所を言え!」
 いつもの様子と全く違う陸の表情に、彩矢は戸惑いを見せる。彩矢だけでなく、湊や、陸との付き合いが長い一真と菜央も同様だった。ジャロールの前に立った陸の表情を知っているのは征市だけなのだ。
『まだ暑さが残るとはいえ、もう九月だ。芸術の秋だよ。君をコンサートに招待したいのさ!』
「ふざけるな!何が目的だ!」
『ふざけてなどいないよ、陸!僕は本気さ。既に君の寮にコンサートのチケットを送っている。君一人で来て欲しいんだ』
「陸、気をつけろ。これは罠だ」
 ジャロールに聞こえないように、征市は小声で陸に話す。
「判ったよ。僕一人で行けばいいんだな?」
「陸!」
 少し迷った後、陸はジャロールにそう答えた。その答えは征市にとって予想外のものであり、納得できるものではなかった。
『素晴らしいよ、陸!判ってくれてとてもうれしい!』
「逃げるなよ、ジャロール!」
 陸は握りつぶしそうなくらい強く持っていた受話器を置こうとするが
『ちょっと待ちたまえ。まだ話は終わっていないよ』
というジャロールの言葉を聞いて動きを止める。
「まだ何かあるのかよ」
『君に持ってきて欲しい物があるんだ。今から言う物を持ってきてくれたら、僕が持っている『龍のひげ』を君に見せてあげよう』
 その場の空気が変わる。今、話題として出ていた龍のプライズの存在についてジャロールが口にした事でメンバーに緊張が走る。
『まさか『龍のひげ』が何なのか判らないとは言わせないよ。龍のプライズの一つさ。トライアンフでも探しているんじゃないかね?そこでだ。陸が『龍の爪』を持ってきてくれたら『龍のひげ』を見せてあげよう!いいかい?陸が一人で『龍の爪』を持ってコンサートに来る事が条件だからね?』
 一方的に条件を提示するとジャロールからの通話は終わった。陸は何も言わずに、通話が終了した事を告げる受話器をじっと見ていた。
「陸、行くんじゃない。これは罠だ」
 征市が肩をつかんで陸を止めようとする。陸はそこで初めて自分が動ける事を思い出したようにはっとすると、受話器を置いた。
「ジャロールはお前を挑発して『龍の爪』を奪うつもりなんだよ!『龍の爪』だけじゃなくて、お前にも何かしてくるかもしれない。だから、行くな!」
 征市の説得を聞いて陸は微笑した。今までの殺意や敵意に満ちていた陸の表情との違いに征市は驚いて手を離す。
「大丈夫ですよ、セーイチさん。僕も罠だって事くらい理解しています。ジャロールの事だから、僕が魔力を失った事を知らないとは思えない。けれど、うまく行けば『龍のひげ』を奴から奪い取れるチャンスなんです」
 陸は微笑んでいた。だが、その目は笑っていない。一つの仕事をやり遂げようとする強い意志の光が陸の瞳の奥で光っていた。
「駄目です!陸君は絶対に行ってはいけません!」
 菜央が反対する。他のメンバーも反対の意思を目で伝えていた。
「お願いです、陸君。危ない事はしないで下さい」
「ジャロールの事だから、僕が行かなかったらコンサートの客を人質にして別の作戦を考えるかもしれない。それくらいの事は平気でやる男だ」
 陸の言葉を聞いて、征市は五月に博物館でジャロールの策略に破れた事を思い出した。あの時、ジャロールは陸の隣にいた征市に対して「君はいらない」と言い放った。詳しい理由は判らないが、彼にとって陸は特別で他の人間はどうでもいい存在なのかもしれない。陸をおびき出すためにコンサートの聴衆に危害を加える事は、簡単に予想できる。
「相羽さんも陸君を説得して下さい!」
「陸……」
 口を開く征市に対して、陸は右手を出す。そして
「僕に力を貸して下さい。ジャロールを倒すための力を。お願いします!」
と、頭を下げた。陸の頼みに戸惑った征市は周りにいるメンバーを見る。彼らも同様に陸の行動に戸惑っているようだった。征市は陸が出した右手を握る。
「判ったよ、陸。どれだけ説得しても聞きそうにないからな」
「それじゃ……!」
 顔を上げた陸に対して、征市が続ける。
「ただし、俺も隠れてついていく。ジャロールだって俺達の誰かがついてくる事くらい想定内だろう。全員で行ったら目立つから俺がついていくよ」
 そう言うと、征市は事務所の出入り口に向かって歩き始めた。陸もそれに続く。
「待って下さい!」
 その背中を呼びとめるように菜央が声を上げて、二人に近づいた。
「私も行きます。いいですね、陸君」
「え、でも……」
 菜央の強い意志を秘めた瞳から、陸は目を逸らし征市に助けを求めるような視線で合図を送る。
「判ったよ。お前もどれだけ説得しても聞きそうにないからな」
 征市は軽く息を吐くと、事務所を出るためのエレベーターに乗り込んだ。

 トライアンフ事務所の最寄り駅からJRで数分のところにジャロールが指定したコンサートホールがあった。クラシックのコンサートに使われるホールらしく、征市も祖父に連れられて来た事があった。
 陸は、ジャロールに渡された前売り券に書かれた座席に座る。中央に近い席で舞台の上がよく見える席だ。開演五分前になるが、両隣には誰も座っていない。
 征市と菜央は陸とその周辺が目に入るように後方の席に座った。通路に近いので、何かあったらすぐに飛び出せる。
 開演時間が近づき、陸は自分の耳に耳栓がしてあるのを確認する。過去に、ジャロールが使ったオルゴールのプライズはその音を聞かなければ対処できる。そう考えた陸は、耳栓をして音を防ぐようにしたのだ。これでプライズの効果が防げるかどうかは判らないが、やらずにはいられなかった。
 開演と同時に舞台にタキシードを着た一人の男が現れ、優雅な仕草でヴァイオリンを弾き始めた。その男の動きを見る事もなく、陸は自分の周囲に気を配る。どこからジャロールが現れるか考えながら、『龍の爪』が入ったバッグを両手で強く抱きしめた。
 数分後、一曲終わったらしく聴衆が拍手を始める。
(え……?)
 陸は奇妙な事に気がついた。いつの間にかバッグから両手を放しているのだ。そして、両手は陸の意思とは無関係に拍手を始めていた。
「何でだよ!?何で、拍手なんか――」
「陸。コンサート中は静かにしてくれないかな?それくらいは常識だろう?」
 横から聞こえる声が耳に入るのと同時に、全身に悪寒と怒りと恐怖が走る。右の席を見ると、右手に耳栓を持ったジャロールが座っていた。その耳栓をつまんだまま、ジャロールは陸を見ている。
「悲しいよ、陸!せっかく、君のために用意したコンサートなのに、耳栓をして聞かないなんてあんまりじゃないか!それに、約束も守ってくれなかったようだね?」
 ジャロールは立ち上がると、責めるような視線で後方の座席に目を向ける。
「約束を破るのは悪い子だよ、陸?それとも、彼らが勝手についてきたのかね?いらないと言ったのに、聞こえていなかったのか。それとも判ってやっているのか。いずれにしても、邪魔な事に変わりはないな!」
 ジャロールは、陸が持っていたバッグを奪い取り、中身を取り出す。中から出てきた恐竜の爪のようなものを眺めると、満足したように微笑んだ。
「間違いない。『龍の爪』だ。これも偽物を持って来られたらどうしようかと思っていたけれど、この約束は守ってくれたみたいだね!ありがとう、陸!僕は嬉しいよ!」
「黙れ、ジャロール!今日こそ、お前を――」
 陸は立ち上がろうとして腰に力を入れるが、体は脳の命令通り動いてくれない。それだけではなかった。陸は、ジャロールを見ながらまだ拍手を続けていたのだ。
「体が自分の思うように動かないのかい?陸、僕を殴りたいんじゃないのかい?立ってみせなよ!」
「くそっ!」
 陸は、何をされたのか判らなかった。判るのは、オルゴールのプライズの時と同じようにまたジャロールの罠に嵌められたという事だけだ。
「陸、君は立てないよ。既に君は、僕の部下のプライズによって操られている」
 ジャロールはそう言って舞台の上を見た。陸も視線を舞台の上に向けるが、そこにはヴァイオリニストが笑顔で立っているだけだ。
「彼は、僕の部下だ。そして、あのヴァイオリンの弦には『龍のひげ』が使われている。約束はちゃんと守るよ。陸が『龍の爪』を持ってきてくれたから、僕も『龍のひげ』を見せてあげた」
 ジャロールは説明を終えると、陸の腕をつかむ。そして、半袖のシャツから露わになった白い肌を見ていた。
「キメラ男に敗北して魔力を失ったというのは本当だったんだね。悪魔を呼び出すために僕がつけた模様が消えている。それと同時に魔力も失い、今も魔力を失っている。違うかな?」
「馬鹿言うな!魔力回復薬で僕の魔力は復活しているはずだ!」
「そう思うかね?」
 ジャロールが口の端を釣り上げて笑う。そして、舞台の上にいる部下を見た。
「ゴスバート!陸の拘束を解除してくれたまえ!」
 ゴスバートと呼ばれたジャロールの部下が弦を軽く鳴らすと、陸の拍手は止まり立ち上がる事ができた。陸は、ジャロールを睨みつけながら、デッキを呼び出すために意識を集中させる。だが、いつものように首につけたループタイのドクロは光る事がなかった。
「判るだろう?君の魔力は他の連中と違って先天的なものではない。故に、薬の効果が発揮されないのだよ」
「そんな……」
 陸は呟き、座席に体を投げ出すようにして座る。瞳の奥底まで絶望に彩られたその目は虚空を眺めていた。
「その表情、魅力的だよ!だが、今日はもうこれ以上君の相手をしている時間はないのでね。君の相手はゴスバートに任せるとしよう」
 ジャロールは両足に力を入れて地面を蹴ると、通路に着地した。ゆっくりとした動きで通路を降りると、舞台に上ってゴスバートからヴァイオリンのプライズを受け取る。ゴスバートは一度、舞台袖に引っ込むと、新しいヴァイオリンを手にして戻って来た。
「言っておくが、ヴァイオリンのプライズによって体の自由を奪われてしまったら、一時間は元に戻らないよ。君だけは自由だけどね。ゴスバートはヴァイオリンがうまいから、コンサートの続きを楽しんでいくといい!」
 ジャロールは、舞台袖に向かって歩き出す。
「逃げられちまうな」
 体の力が抜け、虚空を眺めている陸の頭上でホール中に響き渡るような奇妙な声が聞こえた。陸は、その声を聞いて意識を持って自分の頭上を見る。そこには、黒いもやのようなものが渦巻いていた。
「何度も呼んだんだぜ?あの薬のせいでやっと俺の声が届くようになったみたいだな」
「悪魔、か……?」
 その声は陸と契約した悪魔のものだった。数年間、聞いていなかった声が響く。
「さっさとあの不老不死を殺せ。そのために、俺はお前に力を貸していたんだぜ?」
「もう、僕に力はないじゃないか」
「もう一度、力をくれてやれば殺せるのか?」
 今の陸には、悪魔の姿は見えていない。しかし、陸には悪魔が陸を見て怪しく笑うのを見た気がした。
 自分を見る視線を感じて後方の席を見る。菜央が不安そうな顔で見て何か言っている。操られた聴衆の拍手にかき消されて聞こえないが、契約してはいけないというニュアンスの言葉なのは容易に想像できる。
「ごめん、菜央ちゃん」
 陸はそう呟くと頭上の黒いもやを見た。
「力があれば、ジャロールを殺せる。僕に、ジャロール・ケーリックを殺す力をくれ!」
「契約完了だな」
 黒いもやが陸の口の中に入っていく。それと同時に陸の肌に黒い奇妙な模様が現れる。シャツからは腕の模様しか見えないが、前と同じように上半身全体に模様が広がっているのは間違いない。
 陸は通路に飛び出すと、舞台に向かって駆け降りる。それと同時に、ループタイのドクロを光らせ、その光の中からデッキを取り出す。デッキを取った陸は、跳躍して舞台の上に立った。
「ジャロール・ケーリック!あの世で神様に懺悔しな!」
 デッキを突きつける陸と、それを見るジャロール。悪魔の力を思い出したのか、ジャロールは怯えるような表情で陸を見ていた。
「悪魔と再契約を果たすなんて、正気なのかい!?寿命が縮むんだぞ!?」
「判っているさ。お前を殺してさっさと契約を打ち切るつもりだからね。ここで死ねよ」
 陸が一歩前に足を出すと、ジャロールは「信じられん!」と言って、一歩後退する。そして、ジャロールを守るように二人の間にゴスバートが割って入った。
「ジャロール様に手出しはさせん。私が相手だ!」
 ゴスバートは懐からデッキケースを取り出し、目の前に五枚のカードを投げつける。金色の光と共にそれらはドアほどの大きさの壁――シールドへと変化した。
「邪魔しやがって……。後悔しろ!」
 陸も同じようにデッキを取り出し、目の前に五枚のカードを投げる。夜の闇よりも暗い黒のシールドが陸の前に壁として現れた。残った三十五枚の束の上から五枚のカードを引きながら、ジャロールが後退していくのを見る。
「陸、残念だが僕はここでお別れだ。龍のプライズを求めている人がいるからね。僕は彼らの手伝いをしなければならない。もし、機会があったらまた会おう!」
 陸に別れの言葉を告げたジャロールはゴスバートに「陸を殺すな。少し傷つけるのは構わないが、生け捕りにしろ。彼は僕の計画にとっても必要な人材だ」と、言って去った。
「殺すなって、僕も随分嘗められたもんだね」
 陸は一枚のカードを場に投げつける。使用した呪文《エマージェンシー・タイフーン》によって竜巻が発生し、陸の山札の上のカードが二枚飛ばされていった。陸は手を伸ばしてそれをつかむと増えた手札の中から一枚を墓地に投げ捨てた。
 ゴスバートは陸を睨みながらカードを一枚引いた。
「遠山陸。私はお前が気に食わない。こんなにも気に入られているのに、何故、ジャロール様のお力になろうとしない!?」
 ゴスバートの《フェアリー・ライフ》がマナを増やしていく。これによって彼のマナゾーンには光と火と自然のマナが集まっていた。
「奴が僕の人生をかき乱した!僕の宿敵だ!だから、殺す!」
「ふざけた事を!」
 ゴスバートは獣の叫びのように荒れた声で陸を威嚇し、《青銅の鎧(ブロンズ・アーム・トライブ)》を召喚する。これによってゴスバートのマナは既に五枚になっていた。
「ジャロール様は殺すなとおっしゃっていたが、私はお前が憎い。殺しはしない。だが、生きている事を後悔する程度の痛みを与えてやる!」
 陸が《エマージェンシー・タイフーン》で手札の入れ替えをやるのを見ながら、ゴスバートは金色に輝く直線的なモニュメントに似たクリーチャー《雷鳴の守護者ミスト・リエス》を召喚する。そして、《青銅の鎧》に攻撃を命じる。
「先手必勝だ。食らえ!」
 《青銅の鎧》の槍が陸のシールドを貫く。それと同時に陸のシールドの欠片が黒い煙にように変化する。黒い煙は円を描くように集まっていき、ブラックホールのようなものへと姿を変えた。
「何をする気だ!こざかしい!」
 突然、現れたブラックホールの奥から奇妙な気配を感じたゴスバートは内心の恐怖を悟られぬように大声を出して自分の中にある恐怖を否定した。だが、それで消せない恐怖がそこにある。
「シールド・トリガー《インフェルノ・サイン》だ。蘇れ、僕のクリーチャー!」
 ブラックホールを通り抜け、黒い何かが飛び出していく。それと当時に《ミスト・リエス》の表面の装甲が腐り、溶けるように剥がれていった。
 陸が使った《インフェルノ・サイン》はコスト7以下のクリーチャーを墓地から呼び出す呪文だ。陸は《エマージェンシー・タイフーン》を使ってあらかじめ墓地にキープしていたクリーチャーを呼び出したのだ。
「呼び出したのは、こいつ。《ハンゾウ》だよ」
 陸のシールドの前に立っているのは、黒いカエルのようなクリーチャー《威牙の幻ハンゾウ》だった。場に出た時に相手のクリーチャーのパワーを6000下げる能力で《ミスト・リエス》のパワーを0にして破壊したのだ。
「僕は、墓地からも手札からもクリーチャーを出す。さらにこいつだ!」
 陸の場にもう一体のデーモン・コマンドが現れる。般若の面をかぶり、体中にある腕で何本もの日本刀を握った日本の妖怪にも似たクリーチャー《古の羅漢バグレン》だ。《バグレン》の周囲にある人魂のようなものが《青銅の鎧》にとりつく。すると、《青銅の鎧》は首を押さえて苦しみ出すと目の光を失ってその場に倒れた。
「《バグレン》はタップされたクリーチャーのパワーを1000減らす事ができる!《青銅の鎧》みたいな雑魚クリーチャーはシールドに触れる前にお陀仏だよ!」
 召喚を終え、陸は攻撃に移った。《ハンゾウ》が長い舌を伸ばしてゴスバートのシールドを突き破る。砕けたシールドの欠片がカードの形に再構築され、ゴスバートの手元に戻っていく。クリーチャーの数で勝っている陸を睨みながら、ゴスバートは「今に見ていろ。私の切り札さえあれば、お前など……」と言ってカードを引いた。

 陸は、拍手を続ける聴衆を横目で見た。ヴァイオリンのプライズによって奇妙な呪いをかけられた彼らは、曲が終わって十分以上経った今でも笑顔で拍手を続けていた。魔力の耐性がないせいか、表情を変える事も声を出す事もできない。今の状況を疑問に思う事すらできないかもしれない。
(すぐに助けてあげるから。もう少しだけ待っていて)
 陸は、心の中で聴衆に誓うと自分とゴスバートの場を見た。
 陸のシールドは残り一枚。《バグレン》が一体と《ガル・ヴォルフ》が一体立ってゴスバートを倒すチャンスを狙っている。他には、召喚したばかりの《ガジラビュート》が立っていた。
 ゴスバートのシールドは陸の攻撃を受けながら回復を繰り返していたので三枚残っていた。しかし、クリーチャーは《青銅の鎧》一体だけしか残っていない。攻撃しようにも《バグレン》がいるので、攻撃が届く前に破壊されてしまう。
「《ガル・ヴォルフ》!《バグレン》!シールドブレイクだ!」
 《ガル・ヴォルフ》の剣と《バグレン》の刀による斬撃の二重奏がゴスバートのシールドを砕いていく。シールド・トリガーはなく三枚のシールドは全てゴスバートの手札に入った。圧倒的に不利な状況でゴスバートはそれらの手札を見て白い歯を見せて笑った。
「私の勝ちだな」
 自信に満ち溢れたゴスバートの言葉を聞いて、陸は自分の耳を疑った。ゴスバートのマナゾーンには火文明のカードがある。征市が好んで使う《ボルシャック・大和・ドラゴン》のようにスピードアタッカーを持ったクリーチャーを出す事も可能だ。スピードアタッカーで陸の最後のシールドをブレイクすれば、ゴスバートが直接攻撃をして勝てるように思える。しかし、《青銅の鎧》は《バグレン》がいる限り攻撃する事ができないのだ。ゴスバートは《バグレン》とシールドの二重の防御を破らない限り、陸を倒す事はできないのだ。
「疑っているのか?それも無理はない。だが、今からこのカードで証明してみせよう!」
 ゴスバートはマナゾーンのカードを全てタップすると、そこから出たマナを全て一枚のカードに注ぎこむ。そして、その切り札をはるか上空へと投げつけた。陸達を白い光が包む。一瞬、ライトの異常かと思ったが、そうではない。それはゴスバートの切り札から発せられる光だった。
 光が治まってから、陸はその切り札を見た。その場にあるどのクリーチャーよりも巨大な白い体は、SFに出てくる宇宙戦艦のような姿をしていた。二つの腕と顔がある事からそれが戦艦ではなくクリーチャーである事が理解できる。巨大な盾と、それとは逆の上で保持した陸のクリーチャーをも上回る大きさのミサイルが見る者を威圧する。
「《機動聖霊ムゲン・イングマール》。悪鬼を蹴散らす殺戮の天使だ!!」
 ゴスバートによって召喚された《ムゲン・イングマール》は左腕で持っていた盾で《ガル・ヴォルフ》を押し潰す。陸の予想通り、スピードアタッカーのクリーチャーが出たのだ。
「やっぱり、スピードアタッカーが切り札だったのか。だけど、これで攻撃できるクリーチャーはない!」
 陸がそう言った時、《バグレン》が《ムゲン・イングマール》の巨体に押しつぶされていく。陸は、目を丸くしながらそれを見ていた。
「《ムゲン・イングマール》はバトルに勝てばアンタップできるクリーチャーだ。その名が示すように命ある限り、無限に攻撃し続ける事ができる!」
 《バグレン》を押し潰した《ムゲン・イングマール》の視線が陸のシールドに向かう。そして右腕で保持していたミサイルのロックを解除すると、シールドに向けて打ち込んだ。ミサイルの先端がシールドと接触し、ホール全体を包むような白い閃光と高熱がその場を包んだ。露出した肌が悲鳴を上げるようなそんな熱だ。
 光が止むのと同時に陸が目を開けると、自分のシールドがあった場所から灰色の煙が立ち上るのが見えた。それを見たゴスバートは右手の人差し指を陸に突き付け、《青銅の鎧》に最後の攻撃を命じる。
「《青銅の鎧》でとどめだ!」
「待った!」
 陸が言うのと同時に、《ガジラビュート》の背中に黒い剣が突き刺さる。それによって力を失い、全身が弛緩した《ガジラビュート》の体が宙に浮いていく。そして、黒い光と共にその体が爆発を起こすと、体内から《ガジラビュート》に突き刺さった剣と同じものが土砂降りの雨のように大量に降り注いできた。《青銅の鎧》と《ムゲン・イングマール》はそれを見て後退しようとするが、黒い剣の雨はその二体を集中的に狙ってくる。それによって《ムゲン・イングマール》の肉体が瓦解していく。
 黒い剣の雨が止んだその場にクリーチャーは一体も残っていない。ゴスバートはそう思っていた。しかし、その目は自分のクリーチャーを破壊した悪鬼の姿を捉え、脳にその情報を伝達していた。怪物の頭蓋を象ったような下半身に、いくつもの腕がついた上半身を持つ漆黒のデーモン・コマンド。腕だけでなく、ありとあらゆる箇所につけられた黒い剣や刃物。殺意に満ちたオーラと黒い体の中でアクセントのように光る赤い瞳。《魔刻の斬将オルゼキア》が《ガジラビュート》を生贄にしてその場に降臨し、ゴスバートのクリーチャーを殺害したのだ。
「何なんだ、そのクリーチャーは!?どうやって召喚した!?」
 ゴスバートは《オルゼキア》から目を逸らしながら陸に問い詰める。そのクリーチャーと目を合わせたら、命を落としてしまいそうな恐怖を感じるため、直視する事などできなかったのだ。
「簡単な事さ。《インフェルノ・サイン》をシールド・トリガーで使って墓地から呼び出した。《オルゼキア》の能力は、自分のクリーチャー一体を破壊して相手のクリーチャーを二体破壊する能力。破壊する二体のクリーチャーは相手が選ぶんだけど、二体しかいなかったら選択の余地はないよね?」
 極限まで見開かれた陸の瞳がゴスバートを見る。反撃の手段を持たないゴスバートは震えながら陸の死刑宣告を待つ事しかできなかった。
「あの世で神様に懺悔しな!《魔刻の斬将オルゼキア》でとどめだ!」
 《オルゼキア》の黒い剣がゴスバートの胴体を貫く。そこから光る砂のようなものが飛び出して行った。ゴスバートの魔力が消えていったのだ。ゴスバートは意識と魔力を失ってその場に倒れた。それと同時に、狂気に満ちた拍手が鳴りやむ。
「普通は今から拍手が起きるもんじゃないかな?まあいいや」
「陸君!」
 通路を降りてきた菜央が舞台に上がる。そして、心配そうな顔で陸に近づいていった。
「体は大丈夫なんですか?」
「もちろん。ただ……また、戻っちゃったんだなぁって思うとちょっと悔しい」
 陸は、自分の両腕を見た。両親の形見とも言える白い肌に戻れたのは数週間程度だった。自分の意思で悪魔との再契約を果たしたとはいえ、その肌を汚してしまったのは辛い。
「セーイチさんはどうしたんですか?」
「相羽さんには、ホールの責任者への連絡と救急車の手配を頼んでいます。ここに来た人達は純粋に音楽を楽しみたかっただけなのに、とんだ災難でしたね」
 菜央は客席で椅子に体を預けている聴衆を見た。魔力に全く耐性がないせいか、意識を失っていて目を覚ます気配がない。陸は、五月の博物館の事件を思い出した。
「結局、またジャロールに逃げられちまった。僕じゃ、あいつを倒せないのかな?」
「陸君……」
 菜央が陸の後ろから静かに近づき、彼の手を握る。陸は、その手から熱い何かが自分に流れてくるような心地よい錯覚を味わっていた。
「もっと自分を大切にして下さい。命を何だと思っているんですか」
「ごめん……。でも、ここではこうするしかなかったんだ」
 陸は、そう言い訳するが自分でも他に選択肢はあったと思っていた。しかし、陸はこれ以外の選択肢を望んでいない。戦えなければジャロールを倒すという自分の目的を、復讐を果たす事はできない。今、陸はそのための力を取り戻した。
(覚悟しているつもりだ。だけど、いつか後悔する日が来るかもしれない)
 陸は、自分の後ろにいる菜央の顔を思い描きながらそんな事を考えていた。

  『File.24 暴龍覚醒』につづく
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