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DM企業戦士 時任俊之助 第五話

第五話 あなたは神を信じますか?

前回までのあらすじ
 DM課の課長になったばかりの時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)の前に、後輩の熊本浩介(くまもとこうすけ)が現れる。彼の挑戦を受けた時任は、自然文明のデッキに翻弄されるが、ストライク・バックの切り札『デュアルショック・ドラゴン』と火文明のカードを使って何とか勝利するのだった。
二人のデュエルを監視する相原文美(あいはらふみ)。その手にもデッキが握られていたのだった。

時任俊之助には、自分で名言だと思っている言葉があって、よく手帳にそれをメモしている。ある程度たまってから、それを『時任俊之助 本音の名言集』として出版したら、売れるのではないかと、考えているのだ。世の中をなめているとか思えない。
 ちなみに、今日の名言は「休日出勤に死を!」だ。普通の人なら、休日である日曜日。時任はスーツを着て、教会に向かっていた。時任はクリスチャンではない。だが、会社の命令で月に一回、行く事になってしまったのだ。
「社のPRとして、君があのなんとかっていうカードゲームのルールとかを教えるんだよ。教会にはそのカードゲームが好きな子供達が集まっているからね。DM課の課長として、がんばってくれたまえ!わっはっは!」
 時任はそれを聞いた時に、部長の丸い腹に蹴りを入れてやろうかと思ったが、優しさと理性が何とか怒りに打ち勝った。
 よく考えてみれば、人に教えるのは上達するための近道とも言うので、悪い事ばかりではないだろう。しかし、休日出勤というのが許せない!
「道の真ん中で何を怒っているのだ?時任」
「って、その声は桃太郎!」
 時任の前には、高級なスーツに身を包んだ知的な青年が立っていた。
 百瀬光太郎(ももせこうたろう)。時任の小学生時代の同級生であり、先日、会社のためのデュエルで二人は再会した。あだ名は『桃太郎』だが、そう呼ばれるのを嫌う。
「私を桃太郎と呼ぶな!私の名は百瀬光太郎だ!桃から生まれてなどいない!」
「誰もお前が桃から生まれたなんて言ってないよ……。それより、どうしたんだ?お前も教会に行くのか?」
「何?時任も教会に行くのか?クリスチャンだったのか」
「違うよ!会社のPRで、デュエル・マスターズを教えに行くんだよ。休日出勤だ」
「なるほど。目的は私と同じようだな。私は神父に言われて、ルールや戦略などを教えに行くところだ。私に着いてきたまえ」
「何で、お前についていかなくちゃいけないんだよ」
「この周辺の道は迷いやすいぞ。迷わないという自信があるなら、それでもいいだろう」
 実際、迷って同じ道を行ったり来たりしていた時任は素直に百瀬の後をついていった。
 教会は歩いて五分ほどのところにあった。大きくも小さくもない、至って平凡な教会だ。
「時任、神父を呼んでくるから、ここで待っていろ」
 百瀬は時任を玄関に置いて、教会の中に入ってしまう。一分ほどして、百瀬は神父を連れてきた。連れて来られた神父は大仏のような顔をした日本人男性だった。
「時任さん、ようこそいらっしゃいませ。子供達も楽しみにしています。では、中へどうぞ」
 神父は大仏のような顔をひくひくさせて話す。時任はその様子を不気味だ、と思って見ていた。後でも百瀬に聞いた話だが、あれは神父の笑顔で、時任は歓迎されていたのだ。
 教会の奥の部屋に、いくつかのテーブルがデュエル台として置かれていた。どのテーブルも子供達がデュエルで使っている。どの子供達もまだ、デュエルを始めたばかりのような小学校低学年の子供達だ。
「どの子供達にも活気があっていいな」
 時任は正直な感想を述べた。子供達の元気な姿はそれだけで、大人を安心させる事があるのだ。
「活気だけでは、デュエルに勝つ事はできん。理論的な戦略と、どんな状況でも答えを導き出せる頭脳が必要だな」
「桃太郎は、そんな事を言って俺に負けたくせに」
「黙れ、時任!あれは油断しただけだ!それに、私を桃太郎と呼ぶな!」
「よーし、俺がデュエルを教えてやるぞー!集まれー!」
「無視をするなっ!悲しいではないか!」
 デッキを片手に持った時任と、百瀬に一度視線が集まる。知らない大人がやってきたので、緊張しているようだ。
「では、時任。私とお前で、どちらが多くの子供達を強くできるか勝負しようではないか」
「いいぜ、望むところだ!」
 この二人は勝負事が好きなようだ。いつまで経っても子供である。
 だが、時任も百瀬も、やるべき事はきちんとやるようだ。子供達の方へ行って、デッキを見たりプレイの仕方を教えたりしている。
「いいか、子供。光文明のデッキを使うのは、高貴な私と同じで素晴らしい考えだが、このデッキでは戦う事ができない」
「え~、ど~して~~?」
「ブロッカーだけでは、攻撃できないではないか。攻撃用のクリーチャーも必要なのだ」
「なるほど!そっか!」
 一方、時任は
「速攻はいい考えだね。でも、『タイラーのライター』が入っているなら、自然文明のカードは抜いた方がいいな」
「えー!『ライター』は強いんだよー!!スピードアタッカーだぞ!」
「それは火文明だけでデッキを作った時の話だよ。火文明じゃないカードがマナゾーンにあると、『タイラーのライター』はスピードアタッカーにはならないんだよ」
「へ~、そうなんだ~」
と、職務を果たしているようだ。
「二人ともぐっじょぶです。そろそろ休憩にしましょうか」
 一時間ほど、子供達にデュエルを教えた後、神父の提案で休憩する事になった。
「時任のおじちゃん!休憩終わったら、大会しよう!時任のおじちゃんか桃太郎のおじちゃんに勝てたら、賞品がもらえるの!」
「勝手に決めるなって!それに俺はおじちゃんじゃない!」
「私を桃太郎と呼ぶな!いいだろう……お前ら全員、私の光文明デッキで血祭りにあげてやる!」
 懐からデッキを取り出す百瀬。やる気のようだが、教会で「血祭り」という言葉はまずいのではないだろうか?
「いいのかよ、百瀬。負けたら、賞品を用意しなくちゃいけないんだぜ」
「時任、少しは考えてみろ。負けなければいいのだ。それとも、お前は自信がないのか?」
「バカにするな!俺だって負ける気はない!いいか、百瀬。これは大会なんだ。誰かが優勝するまで続くんだぞ。俺が勝ったら、今日の夕飯はお前におごってもらう!」
「いいだろう。その条件でかまわん!」
 二人は子供達を見ると、同時にこう叫んだ。
「さあ、かかってこい!」
 子供達全員の目にやる気の炎が灯ったその時!
「ぎゃー!誰かー!」
と、神父の声が聞こえた。
「時任、奥の部屋だ!」
 先に百瀬が動き出し、時任もそれに続いていった。
 奥の部屋に入った時任が目にしたのは、腰を抜かした神父と部屋の中央にある黒い雲のような物体だった。
「神父、どうしたというのだ!」
「百瀬さん、悪魔が……悪魔が……!」
「悪魔、だと?」
 日常会話ではあまり聞きなれない会話に眉をひそめる百瀬。黒い雲はどんどん大きくなって人の形を作り上げていく。時任達の見ている前で、その雲は固まっていき、本当に人の形になった。
 全身黒タイツで、胴体の部分には白い字で、「悪魔」と書かれている。
「…………」
 全員が沈黙する中、その人物は時任達にこう言った。
「あ、どうもー。地獄から召喚された悪魔です。どうぞ、よろしく」

次回に続く(おいおい!こりゃねえだろ!)

次回予告
 神父の間違いによって呼び出されてしまった悪魔。悪魔退治をしようとした神父は悪魔に洗脳されてしまう。悪魔を倒し、神父の洗脳を解くためにデュエルを始める時任と百瀬。行け!教会の子供達を守れるのは、お前達だけなのだ!
第六話 悪魔の時間
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