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DM企業戦士 時任俊之助 第六話

第六話 悪魔の時間

前回までのあらすじ
 時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)は、デュエル・マスターズで会社のために戦うDM企業戦士だ。
 部長の命令で教会にいる子供達にデュエルを教える事になった時任。休日出勤に苛立ちながらも、途中で百瀬光太郎(ももせこうたろう)と出会い教会に向かった彼は、子供達のよき手本となってデュエルを教えるのだった。
順調に進んでいたかに見えた二人の仕事だったが、アクシデントで神父が悪魔を呼び出してしまう。悪魔の目的は一体、何なのか?

「こんなドリフに出てくるような変態が悪魔だと!?」
 百瀬は声を震わせながら、悪魔を指して言う。
「証拠を見せてみろ!こんな全身黒タイツの悪魔など私は認めんぞ!」
「いいでしょう……信じる者は救われる。信じない者は……」
 そこまで言った後、悪魔はにやりと笑った。
「待て、信じないとどうなるというのだ?」
「では、この神父を洗脳します」
「私の問いに答えろ!」
 脅えながら怒鳴る百瀬を無視して、悪魔は神父の額に右の人差し指を当てる。すると、人差し指が黒く光り出した。
「はぁっ!」
 悪魔が叫ぶと、神父は頭を押さえてその場にうずくまった。
「神父さん、大丈夫ですか?」
 時任は、うずくまった神父に駆け寄る。だが、神父はいきなり立ち上がると
「悪魔だ!世界は悪魔でできているのだ!」
と、言って笑い始めた。
「ど……どうなってるんだ?」
「時任、どうやら神父は洗脳されてしまったようだな。あの額を見ろ」
 神父の額には『肉』と読めるような刻印がされていた。
「なんだよ、あれは!普通『666』とかもっと悪魔っぽい刻印になるはずだろ!『肉』ってなんだよ!子供のラクガキかよ!!」
「突然の事に驚く気持ちは分かる。だが、これが現実だ」
「桃太郎はこのおかしい現実を受け入れているのかよ!」
「ええい!私を桃太郎と呼ぶな、と言っているだろう!それよりも、悪魔を倒し、神父を元に戻すべきだ!」
 二人の男は悪魔を睨む。
「いいでしょう、人間の成人男性さん。私とデュエルで勝てたら、神父を元に戻してあげましょう。私の相手は一人です」
 悪魔がパチッと指を鳴らすと、テーブルの上に黒いもやもやが現れて、そこからデッキが出現した。
「もう一人の方は神父と戦ってください」
「いいだろう。神父は私が倒す。時任、悪魔を任せたぞ!」
 百瀬は懐からデッキを取り出すと、シャッフルを始めた。神父も同じようにデッキをシャッフルする。
「悪魔退治だ!行くぞ!」
 時任もデッキを取り出してシャッフルを始める。
「ああ、言い忘れていましたが、このデュエルであなたがたが負けると、死にます」
「何だって!?桃太郎、聞いてたか?」
「黙れ、時任。デュエルはすでに始まっているぞ!『鎮圧の使徒サリエス』を召喚!」
 百瀬はすでに神父とのデュエルに集中しているようだった。
「そうか……。悪魔だから、魂を持って行くって事だな。だけど、俺が勝ったら地獄に帰ってもらうぞ!」
「いいでしょう……。私は簡単には負けません」
 デッキを交換してシャッフルした後、シールドをセットし手札の準備を終え、デュエルがスタートする。
「私の先攻ですね。『ホーリー・スパーク』をマナに置いて終わりです」
「えっ?悪魔なのに、光文明かよ!」
「失礼な。悪魔が光のカードを使ってはいけない理由はないでしょう。デュエル・マスターズは自由なゲームなのです」
「まあ……そうだな……」
 どこか釈然としないものを感じながら、時任はマナをチャージしてターンを終了した。
「私のターン、マナを置いて『ソル・ガーラ』を召喚します」
「ブロッカーか。俺は『幻緑の双月』を召喚!その効果で手札を一枚、マナに置く」
「では、私は『ジル・ワーカ』を召喚。『ソル・ガーラ』でシールドを攻撃します」
「くっ!『ソル・ガーラ』は攻撃ができるブロッカーか。だけど、俺だって負けない。シールド・トリガーで『地獄スクラッパー』を使う!クリーチャーを全て墓地に送る!」
「むぅぅ……やりますね。こんな人の魂はおいしいだろうなぁ……」
 自分のクリーチャーを失いながらも、悪魔は時任の闘志に喜び、舌なめずりを始める。
「俺のターン。『青銅の鎧』を召喚し、マナを増やす。そして、『幻緑の双月』でシールドを攻撃だ!」
 悪魔のシールドにシールド・トリガーは入っていなかったようだ。
「いいでしょう……。今だけはつかの間の希望にすがっていて下さい」
 悪魔はにたにた笑うと、カードを山札から引くのだった。

「『風車男』を召喚!『飛行男』で攻撃!」
「なら、私は『サリエス』でブロックだ!」
 百瀬と神父のデュエル。神父はヘドリアンを中心にした手札破壊デッキのようだ。
「ほっほっほ、百瀬さんの手札を一枚、墓地送り~。これぞ、悪魔パワーですぞ!」
「くっ、手札破壊とは……神父が使うデッキとは思えん。光文明のデッキを使うのなら、話は分かるが……」
 百瀬は豹変してしまった神父を見ながら、次のクリーチャーを召喚する。
「『磁力の使徒マグリス』を召喚。その効果で一枚ドローして、終了だ」
「そうですか、そうですか。では……」
 神父が怪しく笑い、クリーチャーを召喚する。
「『汽車男』を召喚!効果でさらに一枚墓地に送りますぞ!」
「ぐっ!おのれ……」
 百瀬が捨てられたカードは切り札として入れておいた『聖天使グライス・メジキューラ』だった。
「くっ……このままでは時任も負けているのではないか?」

「『悪魔聖霊アウゼス』を召喚です。シンパシーの効果により5マナで呼べるのですよ」
 時任がマナを溜めている間に、悪魔は『アリッサ』を召喚し、『デモニック・プロテクター』をクロス。そして、切り札のアウゼスが登場した。
「ならば、仕方ないな。呪文!『ナチュラル・トラップ』で『アウゼス』をマナに送る」
 出たばかりの『アウゼス』がマナに移動する。悪魔はつまらなさそうにふん、と鼻をならした。
「切り札さえ消しておけば、問題ない!『幻緑の双月』でシールドを攻撃!ターンを終了する」
 破られたシールドを見て、悪魔はにやりと笑った。
「天は私の味方ですよ。シールドに入っていたのは、『悪魔聖霊アウゼス』!」
 再び、『アウゼス』がバトルゾーンに出てくる。
「アクセル効果でエンジェル・コマンドとなった『アリッサ』でシールドを攻撃。その効果で『幻緑の双月』を墓地に送ります」
 クリーチャーとシールドを同時に失った時任。苦い顔で相手を見る。
「まだですよ。『アウゼス』がいる限り、あなたの苦行は終らないのです」

「馬鹿な……。『ロメール』だと……!?」
 こちらは百瀬と神父のデュエル。神父は『汽車男』を『ロメール』に進化させたのだった。
 百瀬のシールドは二枚。クリーチャーは『無頼聖者スカイソード』と『鎮圧の使徒サリエス』。
 神父のシールドも残り二枚で、クリーチャーは『ロメール』と『風車男』だ。
「百瀬さん、『ロメール』がいれば、ヘドリアンはブロックされなくなるんですよ。つまり、ブロッカーで固めた百瀬さんのデッキはカモだって事です!『風車男』でシールドを攻撃!そして、アタックトリガーで手札を一枚墓地へ!」
 百瀬の最後のカードが墓地へ行く。そのカードは……
「かかったな、神父!『緑神龍アーク・デラセルナ』を召喚する!」
「な、何ですとっ!!」
 そう、『アーク・デラセルナ』を墓地に捨てられたのだ。
「神父、『アーク・デラセルナ』は手札から墓地に行く時にバトルゾーンに出るクリーチャーなのだ」
「ならば、『ロメール』で最後のシールドを攻撃!次のターンで百瀬さんを仕留めてみせましょうぞ!」
「愚かな……。悪魔によって堕落した貴様が私に勝つ事は不可能だ!『サリエス』を『グライス・メジキューラ』に進化!『アーク・デラセルナ』でシールド二枚を頂く!」
「まだです!シールド・トリガー、『デーモン・ハンド』!『スカイソード』を墓地へ!」
「それでも無駄だ!今、進化した『グライス・メジキューラ』でとどめだ!」
「なっ、何ですとぉぉぉぉ……」
 敗北した神父の体から黒い煙が出て行く。全ての煙が消えた頃には、額にある『肉』の刻印も消えていた。
「神父、貴様のデッキが悪かったのではない。唯一の問題があるとすれば、それは対戦相手が私だった事だ」

 一方、時任と悪魔のデュエル。
 時任のシールドは一枚。場にはタップされた『メタルウイング・ワイバーン』とタップされた『ストームジャベリン・ワイバーン』がいる。
 悪魔のシールドは二枚。だが、場には『アウゼス』のみがいる。
「『アウゼス』だけでは寂しいですが、仕方がないですね。『アウゼス』で『メタルウイング・ワイバーン』を攻撃!アタックトリガーで『ストームジャベリン・ワイバーン』を墓地へ!」
 時任のクリーチャーが全滅する。『ストームジャベリン・ワイバーン』は悪魔のデッキに対抗するために、一番頼りにしていたカードだった。
「悪魔……信じる者は救われるって、最初に言ったな?」
「そうですとも。私は自分の勝利を信じています。だから、あなたの魂を頂く事ができるのです」
「だが、覚えとけ。勝つには、信じるのと同時に努力が必要なんだ!」
 時任は今まで溜めた7マナを全てタップする。
「切り札、『ツインキャノン・ワイバーン』を召喚!このターンで終わりにしてやるぜ!」
「何を!そのクリーチャーだけでは、シールドを割るだけで終わりですよ!」
「まだ、クリーチャーの召喚は終っていない。G(グラビティ)・ゼロ!『北風の騎手フォッカー』をコストなしで召喚する!」
 その瞬間、にやにや笑っていた悪魔の顔が固まる。
「この二体はスピードアタッカーだ。まず、『ツインキャノン・ワイバーン』でシールドをW・ブレイク!」
「ぬっ、ぬおおおお!バカな!最後の最後で追い詰められるとは!しかも、シールド・トリガーがなしですと!?神は私を見捨てたのか!?」
「地獄に帰ってもらうぞ、『フォッカー』で悪魔に直接攻撃だ!」
「ぐおおおおおおおおお!!」
 悪魔の体は黒い煙になっていき、どんどん小さくなっていく。そして、時任がデッキを片付け終わる頃には完全に消えてしまった。
「とんだ休憩だったな。時任」
 同じように対戦を終えた百瀬がこちらにやってくる。
「ああ、疲れたぜ。しばらく、何かを賭けたデュエルはしたくないな」
「だが、忘れてはいないか。まだ、賭けデュエルは残っている事を……」
「え……?ああーっ!」
 そう、時任と百瀬は子供達と戦って勝たなければならないのだ。負けた場合は賞品を用意しなければならない。
「まだ戦いは終わっていない。時任、子供達を蹴散らすぞ」
「ああ、お前こそすぐに負けるなよ、桃太郎!」
「私は負けん!というか、桃太郎と呼ぶな!!」
 デッキを手に、子供達の下へと向かう時任と百瀬。彼らがある意味で世界を救った事を知る人はいない。

次回に続く(額に肉、はないだろ)

次回予告
熊本(くまもと)に協力してもらいながら、順調に仕事をしているDM課。そこへ、人気者の女子社員、相原文美(あいはらふみ)と時任に助言をしたあの紳士がやってくる!
第七話 明かされる真実
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