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DM企業戦士 時任俊之助 第九話

第九話 新たなるステージ

前回までのあらすじ
 時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)は、とある企業に勤める二十四歳の会社員。まだ若いが、DM課の課長である。
時任の前に現れた、アカシック・ホールディングの社長、金井義明(かないよしあき)氏と時任の後輩、相原文美(あいはらふみ)。文美とのデュエルで実力が足りず惜しくも敗れ去った時任だが、金井社長にその能力を評価される。金井社長の言う『アレ』とは何か?謎を残しつつ、時任は新たな闘志を燃やす。

「ごちそうさまでした」
 海外の映画で見るような長いテーブル。もちろん、純白のテーブルクロスがしいてある。こんな場所で食べるものと言えば、豪華なディナーと決まっているものだが、時任が食べたのは、ご飯に味噌汁、納豆、焼き魚といった日本人らしいメニューである。野菜嫌いなので、野菜には手をつけていない。
「ふぅ~、おいしかったよ。ありがとう」
「どういたしまして」
 渋い声で時任に微笑むのは、スーツに身を包んで片手にワイングラスを持った『ダンディ・ナスオ』だった。
「げげっ!何で、『ダンディ・ナスオ』がいるんだよ!?今までそこには熊本(くまもと)がいたのに!」
「ダンディな敗者、それが君なのさ」
「やめろー!野菜がしゃべるなー!野菜は嫌いなんだー!」
「時任、ツッコミどころが間違っているぞ」
 混乱する時任の肩に手が置かれる。振り返るとそこには
「む……『無双竜機ドルザーク』!!」
「時任、私を使って負けるとは未熟者め。食事は終わったようだな。今から私達アーマード・ドラゴンがお前を鍛えなおしてやる」
「やめてくれー!」
 『ドルザーク』に引きずられていく時任。そんな時任を見た『ダンディ・ナスオ』が一言。
「野菜無しじゃ、ダンディなデュエリストにはなれねーぜ」

「ぐはぁっ!」
「先輩、うるさいッスよ」
 目覚める時任、そして、隣には熊本がいる。二人は乗用車に乗って、どこかに移動しているようだ。熊本が運転していて、時任がいるのは助手席だ。逆だったら、惨劇が起こるだろう。
「ゆ……夢か……。悪夢だ」
「先輩、文美さんに負けた夢でも見たんスか」
「うぐっ!」
 忘れていた嫌な事を、熊本の一言で思い出してしまった。前回のように負けるのは嫌である。
 時任と熊本は金井社長に言われて、東京ドームへ移動していた。アカシック・ホールディングとの契約を取るために、ライバル企業とのデュエルをするために移動しているのだ。時間と場所を指定したのは金井社長。何か考えている事があるのだろう。先日言っていた『アレ』とも関係がある事なのかもしれない。
「先輩、今日のデッキは大丈夫なんスか?」
「ああ……多分……」
 時任は両手で自分のデッキケースを握り締める。いつもだったら、自信たっぷりに大丈夫だ、と言えるのだが、今回はそうは思えない。一度の敗北でここまで不安になってしまうとは……。
「先輩、元気ないッスね」
 熊本にも見抜かれたようである。
「ほっとけよ」
 ヤケクソになりながらそう呟いた時任は、再び、車のシートに体重を預けた。

「こりゃ……なんだ?」
 東京ドームに入った時任がそう言ってしまったのも無理はない。ドームの中央には、デュエルをするためのテーブルと、対戦を中継するためのカメラ。そして、スーツに身を包んだボディガードのような男が二人いる。
「やあ、時任君」
 テーブルの近くにいた金井社長がやってくる。今の時任よりも、金井社長の方が、力がみなぎっているようだ。そうでなければ、大企業の社長など、できないのだろう。
「今回は、実験の意味もあってここで対戦をしてもらうよ。デュエルはあと、三十分後。それまで、デッキの調整をしておいてくれたまえ」
 ポンポンと時任の肩を叩く金井社長。人を安心させる能力を持った笑顔で時任の顔を見ていた。
「実験……ですか?」
「そうだ。前に話していたアレの実験だ」
 『アレ』とは何なのか、未だによく判らない。だが、今回のデュエルでそれが判るかもしれないのだ。ドーム球場に、設置されたカメラ。黒服の男達の役割も気になる。
「だけど、今は……」
 完成まであと一歩のデッキ。あれこれ考えるよりも、今日の相棒の調整が先のようだ。

次回に続く(ダンディな読者、それが君なのさ)

次回予告
東京ドームを借り切って行われる、契約を賭けたデュエル。今回の時任の相手は、R社の矢島(やじま)という男だった。弱点を的確についてくる矢島の戦略に恐怖する時任。時任の戦略は通用するのか!?
第十話 逆転の一撃

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