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DM企業戦士 時任俊之助 第十一話

第十一話 百瀬の挑戦状

前回のあらすじ
 時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)はデュエル・マスターズのカードゲームで対戦して契約を入手するDM企業戦士だ。新入社員、相原文美(あいはらふみ)との敗北に落ち込む時任だったが、R社の矢島(やじま)を東京ドームで倒して見事復活!文美が暗躍し、謎の計画が進行している。戦え、時任!それがお前の使命なのだ!

「文美ちゃん、デッキできたよ」
「あ、判りました、時任さん。そこに置いといてください。ちょっと、熊本(くまもと)君!何、このビーストフォークデッキは」
「マナを溜めてクリーチャーを大量召喚するっす!切り札は『ふたつ牙』ッス!」
「あのねぇ……手札補充も考えないでどうやって戦うのよ!殿堂入りカードにどんなのがあるか判るでしょ!手札補充がほとんど!手札なしでデュエルはできないのよ!お金がないとカードが買えないのと同じ!」
「大丈夫ッスよ!マナを増やす方法はあるッス!」
「マナ増やすだけで大型クリーチャーを呼ぶ方法を考えなかったら、意味がない!」
「あの……文美ちゃん、そろそろ俺のデッキを」
「後にして下さい!いいわ、だったら、このデッキで手札補充がどれだけ重要か証明してあげるから!」
「望むところッス!自分が勝ったら、文美さんには次の対戦でマナ補充がメインのビーストフォークデッキを使ってもらうッスよ!」
 ある夜のDM課。時任とその後輩、熊本浩介(こうすけ)そして、相原文美は三人で集まってデッキの改良をしていた。三人の中でデッキ作りが一番うまいのは文美なので、二人はデッキ作りを教わっているのだ。
「『ハイドロ・ハリケーン』!これで熊本君のマナはゼロ!『グレナ・ビューレ』でシールドを二枚ブレイク!そして、『ミスト・リエス』でとどめよ!」
「そんな……マナが全部手札に来るなんて……」
「どう?手札があれば、色々な戦略が楽しめるのよ」
「ぐぅ……悔しいけど、文美さんの言うとおりッス」
「あの……そろそろ俺のデッキも」
「ああ、時任さんの事だから、またドラゴンデッキでしょ。もっとマナカーブを考えて下さい!」
「げげっ!当たってる!」
 時任達がこれだけ本気なのには理由があった。話はここで、数日前にさかのぼる。

「各企業でデュエル・マスターズ大会ですか?」
 時任と金井社長が初めて出会ったバー。そこで、時任と金井社長は話をしていのだ。
「そうだ。前回、君が対戦したように、東京ドームを借り切って行う。一日で終わるわけがないから、何日かに分けてやる事になるな。優勝した企業には、多額の融資。そして、優勝者には副賞が贈られる予定だ」
「それは……楽しみです。でも、緊張します」
「大会はまだ一ヶ月も先の予定だ。緊張しなくてもいい。今回の大会は一つの企業につき三人まで出場できる。今の内に一緒に出るメンバーを考えておくといい」
 話の微妙な間を使って、ウイスキーと飲みつまみを食べる金井社長。酔っている様子はまったくない。
「あと、百瀬(ももせ)君から挑戦状が届いたよ。三人対三人の対戦をしたいと言っているようだ」
「百瀬が……ですか?」
「ああ、場所はこちらで用意する。日時は彼が君に連絡してくるだろう。前回と同じように派手な対戦を期待しているよ」
 金井社長は時任の肩を軽く叩くと、伝票を持って立ち去ってしまう。ここの支払いは金井社長がしてくれるのだろう。

 そんな話を聞いた次の日に、百瀬から日時について伝えられた時任は熊本と文美に話して、三人のチームを作ったのだった。対戦まであと三日。とにかく、急がなければならない。
「文美さん、『サイバー・ブレイン』を入れたッス!これで、手札補充はばっちりッス!」
「どれどれ……一枚だけ入れても来るわけないでしょ。他にもドローできるカードを入れなくちゃ!」
「文美ちゃん、今度のデッキは完璧だ!」
「そうですか?どれどれ……なんですか、このデッキ」
「なんですかって、ドラゴンデッキだ!これなら、完璧だ!」
「シールド・トリガーが一枚もないですよ。速攻デッキが相手だったら、すぐに負けちゃいますね」
「ぐあー、しまったー!」
 こんな調子で、毎日デッキを作る時任達だった。

 そして、対戦当日。
 時任達は金井社長に言われて会場の東京ドームに集まった。すでに三人とも対戦するためのステージに立っている。太陽よりも眩しすぎるライトの光が、そこにいる戦士達を照らしていた。
「逃げずに来たようだな、時任」
 イタリア製のスーツに身を包んだ若い男。彼が時任のライバル、百瀬光太郎(こうたろう)だ。後ろには、三人の男を連れている。
「当たり前だ、桃太郎!」
「桃太郎と呼ぶな、と言っているだろう!まあいい」
 こほん、と軽く咳払いする百瀬。
「へぇ、この人ですか。時任さんの小学校の時の同級生で、今は時任さんのライバルの桃太郎さんって」
「百瀬桃太郎さん、よろしくお願いしますッス!」
「ええい、初対面の癖に無礼だぞ、そこの二人!私には、百瀬光太郎という立派な名前があるのだ!時任、この無礼な者達は誰だ!」
「俺と一緒に対戦してくれる熊本と文美ちゃん」
「自分は、熊本浩介ッス」
「相原文美です。よろしく、桃太郎さん」
「何と無礼な奴だ。まあいい、デュエルでこの怒りを静めるとしよう!」
 百瀬は、スーツの内ポケットからデッキを取り出す。
「百瀬さん、今回は僕達に任せて下さい!」
 その時、百瀬の後ろにいた男の一人、身長が150センチほどしかなく、中学生のような顔をした男がデッキを取り出す。声が高いので、スーツを着た中学生にしか見えない。
「リーダー、あなたはまだ出るべき時ではございません。あなた様の役割は、私達のデュエルを観察する事では?」
 三人の真ん中にいたホストのような雰囲気の男が、スーツの胸ポケットからバラを出して言う。
「百瀬さん、ここはおいどん達に任せるでごわす!」
 三人目は鍛えられた体の持ち主だった。ここで、熊本とレスリングをやったら、どちらが勝つか判らない。
「時任、紹介しよう。彼らは私の部下、犬飼(いぬかい)雉宮(きじみや)猿谷(さるたに)だ」
「うっす!僕は犬飼次郎(じろう)です!」
「私は雉宮真(しん)。華麗なデュエルで魅了してあげましょう」
「おいどんは猿谷金兵衛(きんべえ)でごわす!」
 小さい男が、犬飼。ホスト風の男が雉宮、体格がいい男が猿谷のようだ。
「今回は百瀬さんではなく、僕達が相手です!」
「リーダーに仕込まれた美しき光使いとしての腕前……あなた方に見せて差し上げましょう!」
「おいどんの力でつぶしてやるでごわす!」
「望むところだ!百瀬、生まれ変わった俺の実力を見せてやるぜ!」
「いいだろう。私は客席でお前達の戦いを見学させてもらうぞ」
 対戦用のテーブルに並んだ六人のデュエリスト。百瀬の部下達を相手に時任はどのように戦うのか?
 デッキをシャッフル、シールドをセット、手札を五枚引き、意地をかけた戦いが始まった!

次回に続く(おいどん、とかごわす、とか普通言わないな)

次回予告
 百瀬が集めた三人の部下、犬飼、雉宮、猿谷。それぞれ違ったパターンの光デッキを使う彼らと、文美のアドバイスを基に作り直したデッキを使う時任、熊本。大勢の観衆、そして、金井社長が見ている前で時任はどんなデュエルを見せるのか?
第十二話 光の包囲網
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