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DM企業戦士 時任俊之助 第十八話

第十八話 猛攻を打ち破れ!

前回までのあらすじ
 時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)二十四歳。
 DM企業戦士最強を決める大会がついに始まった。決勝トーナメント第一回戦の第一試合は時任と謎の胡散臭い男、龍大人(ロン・ターレン)だった。一方、その頃、百瀬は少年にデュエルを挑まれる。

 決勝トーナメント最初の試合に観客の子供達は興奮していた。金井(かない)社長の計らいで、今回も普段は遊ぶ時間を得られないような忙しい子供達を優先的に招待した。大好きなデュエル・マスターズの大会を巨大なスクリーンで見られるのだ。楽しくない理由などない。
「『ブラッディ・イヤリング』を召喚アル!」
「俺は『一撃勇者ホノオ』を召喚する!」
 そんな大舞台ゆえに、時任は緊張する。予選では、一人に注目が集まる事などはなかった。だが、今は全ての観客が自分達の対戦を見ている。昔から、発表会などの人前に立つ事が苦手だった時任にとっての課題は、視線に慣れる事だろう。
「『エマージェンシー・タイフーン』を使うアル!」
 相手の龍大人は『エマージェンシー・タイフーン』の効果で二枚引き、一枚捨てる。
「勿体ない事するな」
「フッフッフ、あなたにはワタシの戦略が判らないみたいアルね。まあ、いいアル」
 龍大人は肩を上下させて不敵に笑う。
「戦略が判らなければ、自分のペースで突き進むだけだ!『機動賢者キーン』を召喚!そして、『ホノオ』でシールドをブレイク!」
 ブレイクしたシールドは『エマージェンシー・タイフーン』だった。龍大人の墓地がさらに増えていく。その頃になると、さすがに時任も気付いた。これは闇文明らしい墓地を利用した戦略だという事に。
「時任さんと言ったアルね。今気付いても遅いアル。ワタシの切り札の前にひざまずかせてやるアル」

 一方、百瀬(ももせ)の対戦は終盤を迎えていた。百瀬のシールドは一枚も残っていない。だが、数体のアーク・セラフィムと『霊騎マルディス』がいる。『マルディス』の効果でアーク・セラフィムがブロッカーになっているから、すぐにやられるという事はない。
 だが、相手の少年の場はそれ以上に堅牢だった。『封魔メールワスプ』と『封魔ウェバリス』が二体ずつ。さらに、『メディカル・アルナイル』がいるので、ブロッカーは不死身である。ドローのために『スナイプ・アルフェラス』。そして、シールドは五枚残っている。
「この少年……只者ではない。だが、私は負けるつもりはない!『霊騎ラグマール』を召喚!私は召喚した『ラグマール』をマナに送る」
「ならば、僕は『スナイプ・アルフェラス』をマナに置きます」
 ドローのためのカードが場から消えた。これは百瀬にとってチャンスである。
「さらに、『霊騎レングストン』を召喚!」
 この効果で百瀬は山札の上にあった『バリアント・スパーク』を入手した。次のターンに一斉攻撃をしかけるつもりだ。
「少年、私のターンは終わりだ。次のターンに勝利をもぎ取ってみせよう」
 目の前の少年は動じない。マナをタップして、静かにカードを場に出す。そのカードの存在に、百瀬の表情が凍りついた。
「『超新星ネプチューン・シュトローム』に進化します」
「ね、『ネプチューン・シュトローム』だと!?」
 『ネプチューン・シュトローム』のメテオバーンの効果で百瀬を守るアーク・セラフィムが全て山札の一番上に送られる。そして、百瀬に『ネプチューン・シュトローム』の直接攻撃が届いた。
「バカな、この私がシールドを一枚も割れずに負けるとは……」
 その場に崩れそうになる百瀬だが、犬飼(いぬかい)と雉宮(きじみや)が彼を支えた。
「百瀬さん!」
「しっかりして下さい、リーダー!」
 そんな百瀬達を尻目に少年は先に進もうとする。
「百瀬さん、金井社長がお待ちです。あちらの会場でお会いしましょう」
「待て……」
 百瀬はよろよろと立ち上がり、搾り出すような声で言う。
「お前、一体何者だ……?」
「それは私が説明しよう」
 秘書を横に連れて、金井社長がその場に現れる。
「彼は『ゲームの達人』と呼ばれている一ノ瀬俊樹(いちのせとしき)君だ。大会のアドバイザーとして呼んだ」
「一ノ瀬……俊樹……」
 百瀬もその名前を知っている。オセロやチェスなどのボードゲームだけでなく、ありとあらゆる戦略系のゲームを得意とする少年だ。その少年がアドバイザーとしてこの大会に来ていたとは……。
「達人だから負けたとは考えんぞ。私はもっと強くなってやる」
 時任に勝つためにな、と最後につけた言葉は小さすぎて誰も聞き取る事ができなかった。

 トーナメント第一回戦も終盤にさしかかろうとしていた。シールドは互いに二枚ある。
「『コッコ・ルピア』を召喚!さらに、『ディメンジョン・チョーカー』を召喚するアル!」
 序盤で墓地に送り続けていたドラゴンを『ディメンジョン・チョーカー』の効果で回収する龍大人。
「こんな手札補充をしてくるとは……。だが!」
 時任も手札補充では負けていない。彼の場には『ミスト・リエスがいる』。今、二枚のカードを引いた。
「俺は防御を強化する!『ジル・ワーカ』を二体召喚だ!」
 時任の場には今、召喚した『ジル・ワーカ』と『キーン』が一体いる。防御力は高い。
「そんな防御、簡単に崩せるアルよ。『黒神龍バグラザード』召喚!」
 龍大人が『ディメンジョン・チョーカー』の効果で回収した一枚。それはタップされていない光のクリーチャーを攻撃できる『バグラザード』だった。
「さらに、ワタシの切り札、『神滅竜騎ガルザーク』を召喚アル!」
「『ガルザーク』なんか使っているのか!」
 現在、『ガルザーク』は攻撃時のパワーが12000。さらに、T・ブレイカーになっている。
「ターンを終了するアル。さあ、あがいてみせるアルよ」
「なめるなよ!『雷撃と火炎の城塞』で『コッコ・ルピア』を墓地へ。さらに、『ディメンジョン・チョーカー』をタップ!『ミスト・リエス』で『ディメンジョン・チョーカー』を攻撃だ!」
 ドラゴン以外のクリーチャーを撃破する時任。だが、それは少し遅すぎたようだ。
「なら、ワタシは二体目の『ガルザーク』を召喚するアル。『バグラザード』で『ミスト・リエス』を攻撃」
「『ジル・ワーカ』でブロック!二体の『ガルザーク』をタップだ!」
 攻撃する間もなく、タップされる『ガルザーク』。だが、龍大人は余裕の表情を崩さない。
「フッフッフ、まだ有利な状況には違いないアルよ」
「だったら、この一枚でひっくり返してやるよ!『ダブルソード・レッド・ドラゴン』を召喚!」
「な……!そのカードは!」
 『ダブルソード・レッド・ドラゴン』はタップ能力で触れずに相手クリーチャーを倒せるクリーチャーだ。攻撃されない『ガルザーク』を倒す事もできる。
「ならば、タップしなければいいだけアル。『サイバー・ブレイン』でドロー。ターンを終了アル」
 さらに手札を増やした龍大人。すでに、勝つためのパターンを考えているのだろう。
「タップされていなければ、タップするだけだ!『超獣大砲』!」
時任がこの場で選んだ呪文。それは自分のクリーチャーを一体破壊する事で相手のパワー7000以下のクリーチャーを破壊できる呪文だ。
「俺は『ジル・ワーカ』を破壊して『ガルザーク』一体を墓地に送る。そして、破壊された『ジル・ワーカ』の効果で『ガルザーク』と『バグラザード』をタップ!」
「そんな……そんな馬鹿なアル!」
「これが俺の戦略だ。『ダブルソード・レッド・ドラゴン』をタップ!『ガルザーク』を墓地へ!」
 三体も並んでいた大型のドラゴンが一体だけになってしまった。
「まだアル。『ディメンジョン・チョーカー』を召喚!ドラゴンを回収して、今度こそ……」
 再び、時任を追い詰める準備をする龍大人。残り二枚のシールドに望みを託したのだ。だが、そんな後ろ向きな希望は意味がない。
「『ダブルソード・レッド・ドラゴン』でシールドをW・ブレイク!そして、『ミスト・リエス』でとどめだ!」
 直接攻撃が決まった瞬間、大勢の歓声と拍手が会場を包む。
「ワタシがこんなにあっさり負けるとは……。決勝トーナメントは厳しいアル。時任さん、中華街に来たらぜひ、ワタシの店に寄って欲しいアル」
 敗北した龍大人は店の地図が書いてある名刺を時任に渡した。
「ああ、是非寄らせてもらうよ」
 そして、時任が名詞を見ると、そこには『養老庵店主 鈴木三郎』と書かれていた。
「名前、違うじゃん!」
「かっかっか、龍大人が本名とは言ってないアルよ」
「ひでぇ!しかも、この名前思いっきり日本人じゃないか!」
「実はそうアル。店の宣伝とはいえ、中国人のふりは大変アル!」
「いや、やばいって!あんたの中国人のふりのせいで国際問題に発展したらどうするんだよ!」
 一回戦が終わった会場では、漫才みたいな二人のやりとりがいつまでも続いていた。

次回に続く(中華街といえば肉まんですね)

次回予告
 アイヤー、龍大人こと鈴木三郎アル。もうワタシの出番はないけれど、まだまだ大会は続くアルよ。次回は時任さんの後輩の熊本さんの対戦アル。相手はなんと、詩集専門の出版社のイケメン編集者さんアル。詩なんてワタシにはさっぱり判らんアルよ。次回は『第十九話 美男と野獣』アル。
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