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DM企業戦士 時任俊之助 第二十二話


第二十二話 決戦~打ち破る者と破られた者~

前回までのあらすじ
 時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)はデュエル・マスターズの対戦で契約を取ってくるDM企業戦士だ。決勝トーナメント第一回戦が全て終了した。圧倒的な実力の差で相手に勝利した百瀬(ももせ)は、その場で時任にデュエルを申し込む。金井社長の許可を得て行われる特別試合。事実上の決勝戦とも言える戦いに全てのデュエリストが注目した。

「2マナ使って、『疾風のスウザ』を召喚!」
時任の場に『スウザ』が召喚される。百瀬との戦いに時任が選んだのはティラノ・ドレイクデッキだった。
「百瀬、このデッキは俺のデッキの中でも最強のデッキだ。悪いけど、事実上の決勝戦は俺の勝ちだぜ。あれ?って事はこれで勝てば俺は優勝候補?イエイ!」
カメラに向かってVサインをする時任。もちろん、大型モニターにもその姿が映る。
「なるほど。時任の最強デッキ……。ならば、私も全力で相手をしよう!」
百瀬は『霊騎アンタリオス』を召喚する。特殊な能力もない平凡な2マナクリーチャーだ。
「ならば、全力のお前を余裕で倒してやるまでだ!『竜音のキラ』を召喚!これで、次のターンから俺が呼ぶティラノ・ドレイクのコストは1マナ軽くなる。さらに、『スウザ』の効果でスピードアタッカーだ」
サポートのクリーチャーを召喚して、着実に準備をする時任。彼のレベルは確実に上がっている。
「ふむ、非常に怖い。だが、私の相手ではないな!」
百瀬が召喚したのは、『霊騎サイヤ』。アーク・セラフィムのブロッカーである。
「さらに、『アンタリオス』で時任のシールドをブレイクする!」
先にシールドを破ったのは百瀬だ。時任はシールドを手札に加え、自分のターンに入る。
「『竜音のキラ』の効果で1マナ減らし、2マナで『エンドブリンガー・ドラグーン』を召喚する!」
百瀬の表情が若干曇る。『エンドブリンガー・ドラグーン』は、攻撃を宣言した瞬間、攻撃対象を破壊するティラノ・ドレイク。しかも、『スウザ』の効果でスピードアタッカーになっている。
「さらに、2マナ使って『バイス・サイクロン』だ!」
時任は観客席にいる文美(ふみ)に向かって手を振る。手札破壊のための呪文は文美のアドバイスで入れたものだ。これだけで、相手を妨害し、勝てる確率が上がった。
「『バイス・サイクロン』か……。選択を誤ったな、時任」
百瀬は手札から一枚のカードを選んで、場に出す。
「私が選び捨てる事でこのカードは場に出る。貴様の妨害工作を糧(かて)に生を受けるこのクリーチャーの名は……」
「『聖霊提督セフィア・パルテノン』か……!」
五つの新種族に一体ずつ存在する提督。相手の手札破壊をエネルギーにして場に出るクリーチャーでなおかつ、手札補充もできる優れものだ。種族こそ違えど、同じ『新種族』のデッキを作っている時任もその強さは知っていてデッキに入れている。
「出たカードは『秘護聖ラビリオン』、『霊騎ラグマール』、『霊騎マリクス』の三体。三枚とも手札に加えるぞ」
手札破壊をしたはずなのに、相手の手札が増えてしまった。だが、『バイス・サイクロン』は手札に戻ってきた。それに、『エンドブリンガー・ドラグーン』もいる。
「『エンドブリンガー・ドラグーン』で『アンタリオス』を攻撃!」
特殊能力で『アンタリオス』が破壊され、百瀬のターンに移る。
「ならば、私は『サイバー・ブレイン』を使う」
「何だって!」
アーク・セラフィムが入っている色は光と自然。だが、百瀬はそこに水のカードを入れてきた。これで、百瀬の手札がさらに増える。増えた手札の中に、まだ『セフィア・パルテノン』が入っているかもしれない。
「そして、『霊騎サイヤ』で『エンドブリンガー・ドラグーン』を攻撃だ」
「あ…しまった!光のブロッカーはクリーチャーの攻撃ができるのを忘れていた!」
百瀬によって少しずつ包囲されていく時任。だが、時任は序盤から激しい応酬のあるこの戦いを喜んでいた。
「百瀬、お前もこのデュエルが楽しいだろう?」
「当たり前だ。あの軍曹殿には悪いが、彼では力不足なのだよ」
二人の熱気に釣られるように、会場も声援に包まれている。二人の力が彼らを動かしているのだ。

「おじさんが何故、時任さんをこの大会に呼んだか判る?」
客席にいる文美は隣にいる熊本(くまもと)にだけ聞こえる声で言った。いや、それは普通の声なのだが、周りの声にかき消され小さな声に聞こえるのだ。
「おバカな先輩でも客寄せパンダくらいにはなると思ったんじゃないスか?」
「それは当たっているわ。おじさんは時任さんを使って、この大会をただの大会ではなく、おもしろいハプニングがある一つのドラマを作り上げようとしているのよ」
おもしろいハプニングというのならば、熊本の前で起こっている時任と百瀬の対戦がまさにそれではないか。圧倒的な力で対戦相手を下した百瀬が時任を指名して戦う。予想外の展開に誰もが驚き、二人の激しいデュエルに人々は熱狂している。
「もちろん、時任さん以外にもこの大会のスパイスとなる存在はたくさんいるわ。この大会を盛り上げる事がおじさんの目的。それは、経済的な利潤を得るためかもしれないけれど、それだけとは思えない」
単純な利益だけが目的ではないとしたら、金井社長の真の目的は一体何なのだろう?
「文美さんも知らないんスか?」
「私が教えてもらったのは、おじさんの目的の一つだけ。本当の目的までは判らないわ。自分で考えろって事かも」
そう言って金井社長の事を話す文美の目はきらきらと輝いている。金井社長を尊敬しているのだ、と熊本は思った。

「『衝撃のロウバンレイ』を召喚!そして、『轟竜凰ドラグランダー』でアンタップ状態の『霊騎アウリエス』を攻撃。『ロウバンレイ』の効果で『サイヤ』を破壊だ!」
時任の場には、切り札の『ドラグランダー』とブロッカー破壊能力を仲間に与える『ロウバンレイ』がいる。シールドは残り二枚。
一方、百瀬の場には『セフィア・パルテノン』が一体と『ラビリオン』が一体いる。シールドは一枚だ。
「『ロウバンレイ』でシールドをブレイク!さらに、『ラビリオン』を破壊!」
百瀬のシールドがなくなった。しかも、最後のシールドにシールド・トリガーは入っていなかった。
「さすがは時任だ。だが、お前はシールドに触れる事はできても私に触れる事はできん!『霊騎ラグマール』を召喚。私は、召喚した直後の『ラグマール』をマナに置く」
「俺は『ロウバンレイ』をマナに……」
ブロッカー破壊のためのカードが除去されてしまった。豊富な手札を使って、百瀬がまたブロッカーを出してきたら不利になってしまう。
「でも、俺には切り札の『ドラグランダー』がいる。こいつがいれば、負ける気がしない!」
「ならば、その希望を打ち砕いてくれる!二体目の『ラグマール』を召喚!」
「バカな!」
百瀬は二体目の『ラグマール』をマナに置く。時任は残った最後の一体、『ドラグランダー』を選ぶしかなかった。
「そして、『セフィア・パルテノン』でシールドをブレイク。ターン終了だ」
時任は震える手つきでカードを引く。ついさっきまではこの戦いを楽しむ余裕があった時任だが、今は恐怖に震えていた。
「来たぜ、『ペインシュート・ドラグーン』!三枚めくって出た『ティラノ・ドレイク』は二枚!パワーマイナス3000の効果を『セフィア・パルテノン』に二回使って破壊する」
何とか百瀬のクリーチャーを排除した時任。だが、百瀬にはまだ手札が大量に残っている。
「『霊騎マリクス』を召喚。さらに、『聖帝ファルマハート』に進化。シールドをブレイク!」
最後のシールドにあったのは、シールド・トリガーだ。だが、『地獄スクラッパー』では『ファルマハート』を倒せない。
「いや、倒す必要なんてないか。百瀬の場にはブロッカーがもういない。『ペインシュート・ドラグーン』で百瀬を攻撃!」
「甘い!甘すぎるぞ、時任俊之助!!メテオバーンを発動する!」
百瀬が『ファルマハート』の進化元を引き抜き、『ファルマハート』はブロッカーとなって再び立ち上がる。そして、『ペインシュート』の攻撃から百瀬を守ったのだ。
「そんな……」
「勉強不足だったな、時任。『聖帝ファルマハート』で時任俊之助に直接攻撃だ!」
自分に作れる最強のデッキで敗れ去った時任。声援が会場内に反響しているが、それはどこか遠くの世界のように思える。
「これが、百瀬と俺の実力の差なのか……」
大会、決勝トーナメント第一回戦終了。第二回戦にはどんな戦いが待っているのか?そして、最強のデッキで敗れた時任はどうやって立ち上がるのか?

次回に続く(ついに百瀬の時代到来か!?)

次回予告
 自分は、GGアームズ所属星田五十六軍曹だ!次回に自分の出番はない!文美という女が危険な目に遭うそうだ!さらに、決勝トーナメント第二回戦の開幕!主人公、時任俊之助の相手は何と……。しつこいようだが、自分の出番はない!次回『第二十三話 最悪の敵』いいか!返事は「サー!イエッサー!」だ!

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