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DM企業戦士 時任俊之助 第二十五話


第二十五話 究極の切り札

前回までのあらすじ
 浜崎(はまさき)の策略を打ち破るために、文美(ふみ)を捜す百瀬(ももせ)と熊本(くまもと)。彼らは、文美が誘拐されている貝沢(かいざわ)組に乗り込み、双子の兄弟、鳥尾一郎(とりおいちろう)鳥尾次郎(とりおじろう)の兄弟と対戦する。一方、対戦が始まった時任(ときとう)は、浜崎によって手札を見抜かれ苦戦するのだった。

「俺は『フェアリー・ライフ』を使う!」
 貝沢組の事務所。百瀬の対戦相手、鳥尾一郎は自然と火のカードを使ったデッキらしい。マナが増えたら、苦戦しそうだ。
「私はマナをチャージして終了する」
だが、百瀬は特に何もする気配がない。最初の二ターン、マナチャージ以外の動きがなかった。
「なめてんのか!『シャーマン・ブロッコリー』を召喚!さらに、『チッタ・ペロル』だ」
「ドラゴンのサポートカードも入っているとは……。楽な戦いではないな」
 百瀬は三ターン目になってようやく行動を開始した。
「『機動賢者キーン』を召喚。ターン終了だ」
「火文明のカードだと!てめぇ!光使いじゃなかったのか!?」
 今まで、テレビで放映されていた大会で百瀬は一度も火文明のカードを使わなかった。今回も、そうであると思いこんでいた一郎は激しく動揺している。
「うるさいぞ。私のターンは終了した。早くプレイをしたまえ」
「なめやがって……!『シャーマン・ブロッコリー』でシールドを攻撃!」
「『キーン』でブロックだ」
 『シャーマン・ブロッコリー』は破壊されるとマナになる。だが、ブロックしなければシールドを失っていた。
「『チッタ・ペロル』で攻撃はしねえ。俺のターンは終了だ」
「そうか、攻撃をしておけばよかったと後悔するぞ」
 百瀬が手札から『クリムゾン・チャージャー』を出す。『チッタ・ペロル』は破壊され、百瀬のマナが増えた。
「実戦で火文明のカードを使うのは初めてだが……。ふむ、悪くないな」
「こいつ……!」
 頭に血が上り始めた一郎を横目で見ながら、次郎は熊本に襲い掛かる。
「『幻緑の双月(ドリーミング・ムーンナイフ)』でマナを増やす!後何ターン持つかなぁ!?あ!?」
 挑発をしてくる次郎を無視し、熊本もゆっくりと自分のペースでカードを動かす。
「『勇気の玉(ハッスルボール・トライブ)』を出してターンを終了するッス」
「けっ、遅い!『サイバー・ブレイン』でドロー!さらに『幻緑の双月』でシールドをブレイク!」
 次郎も一郎のデッキと似ている。だが、水文明のカードが入っているため、手札もマナも豊富な状態で戦える。ゆえに、柔軟に戦えるのだ。
「自分は『幻緑の双月』に『クリムゾン・チャージャー』を!そして『勇気の玉』でシールドを攻撃するッス!」
 これによって、次郎はクリーチャーを全て失い、熊本が少し有利になった。
「だが、俺にはマナがある。さっさとぶっ潰してやっから覚悟しろ!」
 浴びせられる挑発も熊本には一切効果がない。時任との約束を守る為に、この男を全力で倒さなければならない。挑発にも恫喝(どうかつ)にも、心を動かしている暇などないのだ。

「『ガチャック』のターボラッシュ発動!残念だったね、時任君。むっふっふ」
 浜崎の『ストリウム』と『ガチャック』によって時任のクリーチャーはどんどん破壊されていく。小型デスパペットによる絶え間ない攻撃と水文明のドローで、浜崎はじっくりと確実に時任を追い詰めていく。
「だけど、これ以上はさせない。俺は……」
「『コッコ・ルピア』を召喚して、『フレイムバーン・ドラゴン』を出す……。違うかね?」
「くっ!」
 浜崎に予測された通りだ。時任は『コッコ・ルピア』を出して『フレイムバーン・ドラゴン』を召喚する。
「『フレイムバーン・ドラゴン』の効果で、『ストリウム』を墓地へ!」
 だが、相手に戦略が判ったとしても、負けるとは限らない。時任の狙いが判らなければ、勝機はある。
「やってくれるね……。ならば、『解体人形ジェニー』を召喚。君が大事そうに持っているその切り札、『超竜ヴァルキリアス』を墓地へ送ってもらおう」
 時任は『ヴァルキリアス』を墓地へ置く。次のターンに召喚できるはずだったのだが、これで望みが一つ消えた。
「覚えておきたまえ。これが君の限界だ。君にふさわしい場所でそろそろ退場したまえ」
 また一枚、シールドが割られる。時任のシールドは減っていくが、浜崎はまだ無傷だ。
「全力で倒すって決めたのに……それでもまだ駄目なのか」
 安定した戦略があるデッキ、そして手札を見抜く千里眼。
「ああ、一つアドバイスをしておこう。私のシールドは全てシールド・トリガーだ。非常に主人想いのいいデッキでね。勝手にシールド・トリガーになってくれるのだよ。むっふっふ」
 嘘だ。これは時任に対するプレッシャー。全てのシールドにシールド・トリガーを仕込んだという宣言だ。
 使った手段は卑怯だが、今回の敵は強すぎる。時任は勝ちを放棄しかけていた。
(ん…?でも、待てよ?)
 浜崎が時任のシールドを攻撃した時、シールド・トリガーが出た事を驚いていた。浜崎は手札の内容は判るが、シールドまでは判らないのか。
(ならば、それに全てをかけるしかない!)

「『式神イノセント』と『クック・ポロン』を進化ボルテックス!『太陽王ソウル・フェニックス』だ!」
 次郎の場に現れる切り札。それが、熊本の最後のシールドを破壊した。
 次郎の場には、『ソウル・フェニックス』が一体。そして、シールドが三枚残っている。
 熊本の場にあるのは、『コッコ・ルピア』だけだ。
「でも、自分にはマナが八枚もあるッス。これだけあれば、充分ッス!」
 熊本はまだ諦めていない。いや、それどころかすでに勝利を確信している。
「3マナで『緑神龍グレガリゴン』を召喚!そして、4マナで『超神龍ブラムグレール』に進化するッス!」
 マナを溜めてチャンスをうかがっていた熊本の切り札、『ブラムグレール』。現時点で、そのパワーは16000もある。
「だが、『ソウル・フェニックス』は倒されても進化元のクリーチャーを場に残す事ができる。それに、俺のシールドにシールド・トリガーがないっていう保障はねぇぜ?」
 そんなプレッシャーとは、何度も戦ってきた。そして、常に最良の選択ができる自分を信じている。
「残った1マナで『無限掌』を使うッス!」
 『無限掌』の効果を受けた『ブラムグレール』によって『ソウル・フェニックス』も進化元のクリーチャーも倒される。そして、次郎のシールドが全てブレイクされた。その中にシールド・トリガーはない。
「俺が……負けるだと……!?ちっくしょおおおっ!!」
 絶叫して自分の敗北を認める次郎。その隣の一郎は百瀬を倒す為に切り札を出す準備をしていた。
「『コッコ・ルピア』と『フレイムバーン・ドラゴン』を進化ボルテックス!『龍炎鳳エターナル・フェニックス』!」
「アンタップ状態のクリーチャーを攻撃できる切り札か……」
「『聖霊竜騎アサイラム』を攻撃だ!」
「『キーン』でブロックする!」
 一郎の場には、切り札の『エターナル・フェニックス』と無傷のシールド。
 そして、百瀬の場には、『アサイラム』が一体。シールドは一枚しか残っていない。だが、それでも百瀬の表情は余裕に満ちている。
「切り札を出すのが少し遅かったようだな。このターンで私の勝利は確定する!」
「あ?はったりを言ってんじゃねぇぞ!」
「私の言った事は真実だ。そして、真実は常に勝利を約束する!『アサイラム』を進化、『聖霊王アルファディオス』!」
 百瀬の場に現れた最強の切り札、『アルファディオス』。これによって、光文明以外のクリーチャーの召喚、呪文は禁止された。
「『エターナル・フェニックス』を『アルファディオス』で攻撃。君の場にクリーチャーはもういない。そして、君はもう何もできない。私の勝ちだ」
 がっくりとうなだれる一郎。これで、文美の安全は保障された。
「時任、私達は勝ったぞ。次はお前の番だ」

 時任と浜崎のデュエルも終盤を迎えていた。
「デスパペット三体を『超新星プルート・デスブリンガー』に進化GV!シールドを攻撃、メテオバーンを発動。進化の可能性がある『フレイムバーン・ドラゴン』を墓地へ送ってもらおう」
 浜崎は圧倒的な物量で時任を攻めていた。彼の場には、『道化人形ミケ』と『プルート・デスブリンガー』。そして、シールド・トリガーが仕込まれている可能性があるシールドが三枚残っている。
 時任の場には、『コッコ・ルピア』一体と『緑神龍ミルドガルムス』二体。そして、今の攻撃でシールドが全て破壊された。
「だけど、まだチャンスはある!」
「しまった。そのシールドは!」
 手札を透視できる浜崎はそこで初めて時任のシールドに気付いたらしい。
「シールド・トリガー、『サイバー・ブレイン』!俺はこのカードで勝利の鍵をつかむ!」
 三枚のカードをドローした時任。そのカードを見た浜崎は笑う。
「『ボルメテウス・サファイア・ドラゴン』……。いいカードだが、私の場にはブロッカーがいる。それでシールドを攻撃しようとしたら、ブロックすればいい。そして、『スピリチュアルスター・ドラゴン』。今、『ヴァルキリアス』を呼んだとしても、マナが足りないだろう。最後の一枚は『ブレイン・チャージャー』か。今となっては無駄なカードだね」
「お前はそう考えるか。この勝負、俺の勝ちだ!」
 ターンの最初のドローを終え、行動に移ろうとする時任だったが、そこで動きが止まった。まだ、文美の無事が決まったわけではない。ここで浜崎を倒して何かあったら……。
「ん~、そうだね。君のお友達が心配だね、むっふっふ」
「くそっ!」
 ここは、『ボルメテウス・サファイア・ドラゴン』を召喚して、わざと派手に負けるべきなのか。それとも、勝ちを狙うべきなのか。
「時任!何をしている!」
 観客席から聞こえる友人の声。そこには、百瀬達と文美がいた。
「そっか……。無事だったんだ」
 観客席から浜崎に視点を戻した時任は、自分の手札に触れる。その中から、最高の一枚を選択した。
「『スピリチュアルスター・ドラゴン』を召喚する!」
「血迷ったか!?『ヴァルキリアス』を呼んだところで、君のマナは足りない!それにマナゾーンに『ボルメテウス・サファイア・ドラゴン』もないではないか!」
「俺が呼ぶのは『ヴァルキリアス』じゃない。残りの5マナを全部使って、進化GV!『超新星ライラ・ボルストーム」!!」
『ミルドガルムス』二体と、『スピリチュアルスター・ドラゴン』が融合し、時任の切り札が降臨する。
「こんな切り札があったとは……!バカなああっ!!」
 浜崎のモノクルが爆発するような音と共に砕け散る。それと同時に時任のネクタイ付近でも何かが砕けるような音がして地面に落ちる物があった。
「これは、小型カメラか……?これとモノクルを使って俺の手札を見ていたのか。シールドは見えないわけだな」
 時任は『ライラ・ボルストーム』に手を触れる。
「お前みたいな卑怯な奴は何度来ても倒してみせる!『ライラ・ボルストーム』で『プルート・デスブリンガー』を攻撃!メテオバーンで『ミケ』を破壊して、手札から『ボルメテウス・サファイア・ドラゴン』を召喚!」
 『ライラ・ボルストーム』の一撃で、浜崎のクリーチャーは全て消え去った。そして、『ボルメテウス・サファイア・ドラゴン』の能力で仕込んだシールド・トリガーも全て焼き尽くされる。
「『コッコ・ルピア』でとどめだ!」
「この私が二度までも……。おのれ、時任俊之助!!」
 閃光が浜崎の体から発せられ、会場を包む。眩しさに目を閉じた時任が、そっと目を開けると浜崎の姿はそこにはなかった。
「何とか勝てたぜ。百瀬、熊本」
 観客席に手を振る時任。今回の勝利は彼らと共に勝ち取ったものだった。また別の姿で浜崎が時任に挑戦したとしても、必ず勝利してみせる。

次回に続く(ここに書くネタがもうなかったりする)

次回予告
 熊本ッス!自分と文美さんがデッキチェックに間に合わなくて失格になったのは悔しいッスけど、文美さんが無事なのでオーケーッス。時任先輩はそんな自分達とフリーデュエルで戦ってくれる事に。って、大会用の大舞台ッスか?しかも、隣では桃太郎さんの試合をやってるッスよ!次回『第二十六話 明日へと繋ぐ者』

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